北海道ツーリング2015 ~ 5日目

【 5日目:羅臼温泉国設野営場~北見~層雲峡~グリーンパークぴっぷキャンプ場 】

さて、5日目の朝。いよいよ旅も終盤へ。

今朝は頑張って4時半起床。これから2日かけて札幌まで戻る。少し距離を稼がなきゃ。まったくの晴天で気分もスカイブルー。

湯を沸かしてコーヒーと朝食をとる。非常食として蓄えてたカップヌードルがいよいよ邪魔なので処理。同じく食べ損ねていたロールケーキも合わせて処理。ろくでもない食べ合わせのように思えるが、実際まったく合わない。しかし旅も終盤になれば、こんな感じになっていく。持ち物は減らさなきゃね。手早く撤収して出発、7時45分。あまり早くない。でもベストは尽くした。

お天道さんも昇って気持ちのよい知床横断道路。雲海も見える。羅臼岳、知床峠の圧巻。



思いつきでパノラマ写真なるものも撮ってみる。

ポケットに手を入れると、何か固いものが触れる。

「4A」
あー、羅臼キャンプ場のテント札を持ち帰ってしまった。戻ろうかとも思ったが、今日は先を急ぐのだ。ごめんなさい、後日郵送しますと手を合わせ、出発。

ウトロ側、知床五湖は今回も見送り。オシンコシンの滝も横目で通過。斜里の直線路をひた走り美幌方面へ。アップダウンの長閑な直線道が続く。一気に北見まで移動した。ここでお目当ての回転寿し「トリトン」へ。行くまで知らなかったんだけど、チェーン店だった。チェーン店が悪いわけではないが、東京にもあるんかいという事実。

店員さんがとても感じよく、8皿くらい食べて食べ過ぎる。ごちそうさまと言ってお会計し店を出る。向かいにあったジーンズショップでデニムを一本買い、北見の街を抜ける。ドコドコとハーレーの鼓動が腹の底から突き上げる。ドコドコ、ドコドコ、ドコドコ、ドコドコ・・・。ちょっと、腹痛いんですけど。

まぁ大丈夫かなとやり過ごす。大丈夫ではなかった。街を過ぎ、山あいに入るとコンビニさえも姿を消す。だんだん腹への差し込みが鋭くなり、冷や汗が伝う。や、ヤバい。どこかにトイレは・・・紙はある、最悪NGSか。(野◯ソ)

視線を巡らすと、工事現場入口に立て看板を発見。『トイレ、ご自由にお使いください』の文字。嗚呼、トイレの神様!!

たまらずUターンして突入。現場用の簡易トイレに駆け込む。水洗ではないが消毒液が流れるタイプの和式。もちろん背に腹は変えられぬ。ウエストバッグをもどかしく外し、頭上の棚に置く。ま、間に合った・・・。深いため息とともにバイクに戻り、再び走り出す。ありがとう、名も知らぬ現場様。

R39を東へ。石北峠を抜け層雲峡へ向かう。この区間は100キロほどガソリンスタンドがない。それは知ってはいたのだが、どこからその100キロが始まるのかわからず、先送りしてたらすっかり姿が無くなってしまった。残量が危うくなり焦る。燃費運転を徹底して早く現れろと念じつつ、層雲峡を抜ける。ようやくホクレンの看板が見えて胸を撫で下ろす。

おじさんにハイオク満タンでと伝え、給油開始。財布を出そうと腰に手をあてる。あれ?・・・バッグが・・・無い。血の気が引く。鮨屋でうけた衝撃が再び。意味が分からなくて一瞬頭が真っ白になる。

「ちょ、待って!払えない!」
我ながら切羽詰まったひと言だなと思う。現実を受け止めて、実態の把握に努めようとぐるぐる考えを巡らず。記憶をさかのぼる。トリトンでは支払った、ジーンズショップで試着はしたがバッグはあった。あの時だ、あのトイレだ。身に着けた憶えが、無い。

自分で言うのも嬉しいが、僕は普段忘れ物をしない方だ。物を無くしたりもしない。よく「しっかり者ですね」なんて人に言われたりもする。惜しむらくは想定外の脱糞事情に我を失ったということ。極めて遺憾に思う。気にかけていたのはガソリンの残量だけだった。財布、カード、家の鍵、大事なものは全てそこに。北見手前の工事現場まで戻るしかない。

事情を話すとナンバーだけ控え、支払いは後でと快く送り出してくれた。必ず、必ず戻ります。と潤んだ目でおじさんを見つめ再び100キロの旅路へ。100キロといえば1時間半。予定が全て崩れる。いやそんなことはいい、あってさえくれれば何とかなる。携帯電話だけは持っていたが、あれが無いと無一文。

急いては事を仕損じる。そう思いながらもアクセルを捻る腕に力がこもる。いかんいかん、こういう時こそ冷静さが大切だ。向かいのバイクに笑顔でピース。顔で笑って心で泣いて。でも今更慌ててみても、すでに何時間も放置している。無い時は無いと少し開き直る。救いなのは工事現場の簡易トイレというあまり人が来ない場所。一縷の望みをかけ峠道をひた走る。自分のアホさ加減にほとほと呆れながら。

きっちり1時間半かけて到着。

祈る気持ちでトイレイン。あった!嗚呼、トイレの神様!!身体中の力が抜ける。念のため中身確認、大丈夫。安堵のため息。

愛しのセイコーマートでコーヒー飲んでひと息入れる。さて、とにかくお支払いしに戻らねば。今来た道をまた100キロ1時間半。200キロ3時間の寄り道。無駄とは思うまい。3回目の層雲峡を横目に17時30分、ホクレン着。

おじさんお兄さんお姉さん僕、皆で万歳。バンザーイ!バンザ-イ!バンザ-イ!結果的にはホクレンで給油した時に気づいて良かった。途中で気づいてもガソリンが足りなくて戻れない。また少し給油してもらって、前回分と合わせてお支払い。深々とお礼して、さて今日はどうしようかと考える。もう陽が暮れかけている。

スマホで検索すると「グリーンランドピップキャンプ場」が良さそう。旭川愛別道路(無料)を走り、比布北ICを降りてすぐという好立地。ここからおよそ25km。キャンプ場に電話して空きを確認し向かう。
30分ほど走って18時キャンプ場着。管理人さんと話すと驚きの貸し切り状態。広いサイトにひとりぼっち。別に構わないけど。月明かりの下テント設営。もう暗がりでも張れるぜ。立派すぎる温泉施設が隣接されていて、そこで食事もできるし22時まで開いていて最高。何も用意してない身にはありがたい。

温泉とサウナまで満喫し、生ビール2杯、醤油ラーメンにおかかのおにぎりが沁みる。テントに戻り今日を振り返って失笑。あー疲れた、まさか500キロ以上走るとは。スマホをいじりながら寝落ち。

本日の走行距離:507km

 

1件のコメント

  1. イヤー焦りましたね~。
    私もおなか緩い方なのでつねにコンビニなどチェックしてます。
    さすがに北海道だとすぐないとその辺で失礼もあるかも。
    財布も大変でしたね。
    自分は食事してから無いのに気づき
    あたふたしました!!
    結局置いた所にはなく、後程送金…
    財布は有り難いことに後日拾ったかたが送ってくれました!!
    カード止めて、免許も再発行してからですが…。
    いよいよ大詰め
    楽しみにしてます!

  2. ぐるちゃん様
    コメントありがとうございます。
    今となっては笑い話ですが、ホントにあたふたした一日でした。
    これもきっと良い思い出に・・・いやもう味わいたくないなぁ。
    いつも駄文にお付き合いいただきありがとうございます。
    このような生産性の無いものに愛情を持って、のんびり続けていきたいと思っております。
    ですがどうか、あまり期待なさらぬよう(笑)。

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