ソロキャンプばかりしてる僕に、奥様が少々業を煮やして「そろそろ一緒に行きませんかね」と言った。前にも書いただろうか、うちの奥様は僕がひとりでフラフラするのを許してくれるが、彼女もバイク乗りであるうえにキャンプが好きなのだから、あまりに独り遊びの度が過ぎれば、ちょっと待てのひと声も出る。それで、週末を利用して久しぶりに2台のハーレーで出かけたのだった。先着で素敵なアイアン様がいたので隠し撮り。

我が家にとって定番のキャンプ場、ノースランドキャンパーズビレッジ。ここはぜひとも、家族や友人、恋人同士ででわいわい楽しく行ってほしい。ソロでしんみり焼酎をすするようなしみったれたキャンプ場ではない。とにかくハッピーで平和な空気が充満している。硬派か軟派かと問われれば、思いきり軟派な部類に入るのかもしれないが、それのどこが悪いと言いたくなる。それぐらい楽しいキャンプ場だ。

ノースランドの何が良いかと言うと、あーキャンプツーリングがしたい、そう思った時にバイクにまたがってすぐ向かえる手軽さである。とにかく道具はほぼ揃っているから、カラトリーと調味料だけ持参すれば身体ひとつで向かえば良い。パッキング云々も楽しめる時は良いが、わずらわしくて腰が上がらないなんて時もあるよね。そんな時はノースランドの空き状況を調べれば良い。

僕らはいつも「幌馬車キャビン」を借りてそこに寝泊まりするからテントもいらない。ありがちな寝袋持参も無い。清潔な布団とシーツがちゃんと用意されている。調理器具はすべて揃っているセットを無料で貸してくれるし、鉄板もあれば火を起こす場所だってあるから、つまりはクッカーやバーナーも持って行かなくて良い。最近ではダッチオーブンやピザ釜、スモーカーなんてものも貸してくれるから、ちょっと腕を振るいたい料理番長が居ても大丈夫。
それもう、ホテルに泊まれば良いじゃんなんて間違っても思わないで欲しい。手間のかかる部分を省いたとしても、ちゃんとキャンプの楽しさは残っているのです。

なんと言っても秀逸なのは、夜の宴にはティピーがあること。ティピーを知ってるかな。いわゆるインディアンテントというやつだ。これが一棟につき一台あてがわれていて、少し風が出てきたらこの中に移動して暖をとれば快適に宴を続けられる。飲み過ぎたって知らないよ。
それからお風呂も素晴らしくて、ここは温泉ではなく沸かし湯なんだけど、全然残念な気持ちにならない素敵な露天風呂なんだ。30分の時間制限があるけれど、空いてる時間に名前を書いて、家族やカップルで入る事ができる。少なくなった夫婦の会話だって、花が咲くこと間違いなし。

ここの注意点としては、標高がわりと高いので秋からはかなり寒いこと。防寒対策は必須。
それともうひとつは、キャンプ場入口から受付、駐車場に至るまでかなりの急勾配なので、重量車は要注意。キャンプ場へ向かう道も舗装路崩れの半ダートで、かなり荒れ荒れなのでローダウンしたうえにサスのへたってる僕のハーレーなんて全然向かない。またリアサスをガツンガツン底付きさせながら、スタンディングで上って行ったんだ。重量車の扱いに不慣れなら、明るいうちに着くことをお勧めするよ。あそこでコカしたらなかなかシビレるから。

いつの間にかノースランドの宣伝になってしまったけれど、僕たちは今回中央道韮崎ICで降りて、最高級とまでは望まないけど美味しい地の牛肉が食べたくて探した。そうしたら本当に最高のお肉に出会えてしまった。ここで紹介したって何の影響もないだろうからご紹介しよう。
「根岸精肉店」さんで甲州牛のハラミと豚肉の肩ロースを少量ずつ買って、一枚ずつ丁寧に焼いて味わって食べたんだ。甲州の赤ワインと合わせてね。幸せだったなあ。ああいったお肉は、きっと少量で良いんだと思う。そのあと僕は、持参した日本酒をぬる燗にして、ちびちびやり始めたけど、奥様とどんな話をしたかは内緒です。

とにかく、ただ寝るだけじゃ勿体ない。オススメは早めに着いて、ここの雰囲気をゆっくりと味わうのが良い。特に絶景が見渡せるわけではないけど、近しい人との距離がさらに近づく、そんなキャンプ場がノースランドキャンパーズビレッジなのだ。