奥飛騨エレジー 2〜3日目

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翌朝、4時にかけた目覚ましで起床。
ウェットゲーターに足を通して、ウェーディングブーツを履く。テンカラとルアータックルをリュックに入れて、早朝からけたたましいエンジン音を響かせる。ごめんなさい。急いで出発してまずは高原川へ。

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高原川は岐阜県から富山県を流れる神通川水系の河川で、渓流をやる人にとっては憧れの川だとも聞く。確かに素晴らしい渓相で、すぐにでも竿を出したいが、いくら探しても谷が深くて下りられる場所がない。

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上から指をくわえて見てるおあずけ状態である。これはもう、登山装備が必要か。仕方なく支流の蒲田川へ向かう。

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川沿いの県道475号を、新穂高に向かって上流域へ。陽で照らされた美しい稜線と、新穂高ロープウェイが見える。

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下流域に戻りながら入渓できる場所を探す。ようやく道路脇の傾斜を下りて川に出る。

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川が、でかい。こういう大場所ではどうしていいかわからず、オホーツク海に小舟で出たような気分である。

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とにもかくにもテンカラを振ってみる。40分くらいパトロールするがさっぱり。再びバイクにまたがって、さらに下流に向けて移動する。

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入りやすい場所を見つけて再入渓。

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川幅もあるのでルアーロッドに持ちかえて、久しぶりにミノーを投げる。

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ルアーもやっぱり面白い。何度かチビのチェイスはあったが食わない。2時間くらいやるが、まったく釣れず納竿。予想はしてたけど、渋い。

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キャンプ場へ戻ってコーヒーを淹れて、朝食を作る。朝から動いたのでガッツリ炭水化物補給。ひと息ついて、さて、これからどうするか。

ここを撤収して富山へ向かうか、連泊してもう少し釣りするか考えあぐねていた。名古屋から来たBMWのおっちゃんが話しかけてきて、勢いで1時間くらい話し込む。次第に移動するのが面倒になって、時間も昼近くになってしまった。雨雲の動きも思ったより早く、今夜から下り坂。おっちゃんももう一泊するというので、じゃあ僕もそうしますわと言って延泊の手続きをする。

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ツーリングがてら再びの河川パトロールへ。
今度は双六川を見に行くことにする。双六川も渓流釣りでは名のある川だが、平湯キャンプ場からは少し距離がある。良さそうなら明朝また早起きして、向かってみても良い。なんにせよ、初めての川は行くまで状況がわからなくてウロウロするから、下見するに超したことはない。

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R471を富山方面に向けて進む。竿は持たずに出た。山中の気持ちよい快走路を駆け抜け、35kmほど走った先に双六川。

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さらに進んで峠道を上がって行くと双六ダム。入渓ポイントは限られている。岐阜の川は行ったことないけどアラスカとか欧米のそれのようで、フライが向いてるのかもしれないな。

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河川パトロールをやめてツーリングモードに。
大雨見山の裾野を走る、県道76号を高山に向けて快走。照りつける日差しの中、アクセルワイドオープン。気持ちいー!

でも雨雲レーダーを見ると次第に厚い雲が近づいてきている。今夜、降り始めそうだ。今年のキャンプはよく雨にやられる。高山の町で虫さされの薬と夕食を買って、平湯に戻る頃にはポツポツと降り出した。

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キャンプ場に名古屋のおっちゃんの姿はなかった。テントもバイクもない。雨だから予定を切り上げて撤収したのだろう。翌々日も雨予報だし、週末には台風さえ近づく有様だから懸命な判断かもしれない。弱雨がしとしとと降っては止み、どうにか持ちこたえているような空模様だった。バイクで大急ぎで温泉へ。ざばっと汗を流してテントに戻る。昨日とはうって変わってカラスの行水。

今夜の夕食は至極簡単に。できあいの素麺と枝豆、コッフェルをひとつだけ出して、ソーセージをボイルする。必要最小限の道具で急な雨に備える。ビールを飲みながら枝豆をかじり、今日着いたと思われるお隣のライダーを見て会釈する。

真新しいCBの青年が、コールマンツーリングドームの前で道具を広げ、素敵ソロキャンを展開していた。ユニフレームの焚き火台からはパチパチと薪の爆ぜる音と炎が上がり、小ぶりなフライパンからはジューという良い音が聞こえてくる。揺らめく炎とランタンの明かり。グラスを傾けながら目を細めて炎を見る青年。素敵だ・・・。

 

大丈夫?これから豪雨くるけど?w

 

ポツリ、ポツリ、ポツリ、と額に当たったと思った次の瞬間、ドカーッ!!とバケツぶちまけたような集中豪雨。きたか!
僕はすぐ避難できるように飲んでたから、手近な道具をつかんでテントに駆け込んだ。外を見るとあたふたとテントに転がり込むビチョ濡れの青年と、放置されたずぶ濡れの素敵道具たちが・・・。さもありなん。

夜通し雨は降り続いた。時折雷も伴って、止む気配はなかった。予報では明日も明後日も雨。僕は空いてるホテルを検索した。折しも夏休みの週末、僅かに空きのある宿は驚くほど高額だった。宿に泊まっても雨が続くことに変わりはない。万事休す。日程的にはもう一日余裕があったが、僕はそこで撤退することにした。

翌朝、雨具を着て濡れたテントをたたみ、雨の降り続く中、家路に向かって走り出した。CB君はテントから出てこなかった。途中、家への土産だけ買ってあとはひたすらに走り続けた。

 

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