「まことに申し訳ない」
チキチキ前日、3時間耐久の助っ人山ちゃんから、詫びの入電。
小さな子供二人と奥さんまでも、夏風邪でダウンして出られないという。こればっかりは仕方ない、まったく気にする必要はないと彼を宥めて電話を切る。
さて、そうは言ったもののどうする3時間。
これはもう、奥様と二人で乗り切るしかないと腹は括ったが、駄目もとでフェイスブックで参加を呼びかけてみたら、「面白そう!ブーツないけどいい?」と返答してきたサムライ登場。
Photo by NOZOMI FUJIMURA PHOTOGRAPH .All rights reserved
レインボー倉庫の水口社長。
敬意をこめて「虹色社長」とお呼びするが、奥様の写真展会場も提供してくれたナイスガイ。社長のうえにTOKIOの長瀬くん似にして、ちっとも偉そうな素振りもみせない鼻持ちならない男前。まったく天は二物も三物も与えたか。たまたま非番だということで「昼ごろ行く~」とあっさり快諾。磯子からショベルでさくっと登場。出来る男はフットワークも軽い。これで耐久は予定どおり3人で回せることになった。
▽
当日の朝は薄曇り。昼間にときおり雨。酷暑を覚悟していた参加者にとって、これはもう願ったりの天候で「今日はマダマシ、マダマシ」という呪文があちこちから聞こえてきた。
それでも30℃は超えてたので、3~4枚あったTシャツは全てびちょびちょに。
練習走行、ブリーフィング後、まずは午前中のスプリント。奥様の「キッズ&レディース」
なななんと、まさかの1位入賞!ゴールドメダル!マジかー!
キッズが多かったとはいえ1位は1位ですから、嬉しくないはずがありません。帰りの車でも奥様はほんとうに嬉しそうで、僕も嬉しくなった。頑張って練習したもんなあ。
そして僕の「トレール&レゴラリータ2」は、15台中7位。
むー微妙〜。楽しかったから良いけど。「7位以内に入りたいなーでも欲言えば5位以内が理想だなー」と思ってた己の力量を非常に良く理解した結果となりました。精進します!
そしていよいよ午後からは、虹色社長を迎えての3時間耐久。
第一走者に社長、次に僕、次に奥様の順で。ブーツやゴーグルを貸借りしながら、ゆるゆるとレーススタート。
周りがどんどん第二、第三走者に交代する中、虹色社長、全然代わる気がありません。
20分経っても30分経っても鼻歌交じりに走り続けております。待ってるだけでキャメルバッグ空になるかと思った。商売柄なんでしょうか、その走りはまさに職人にようで、派手さはないものの淡々と、そして着実に順位を上げております。
「交代したくなったら手を挙げて、次の周でピットインね」
という約束なんかハナからした覚えないわという勢いで、虹色社長唐突のピットイン。結局50分くらい走っていたでしょうか。鼻ほじってだらっとしてた僕は、慌ててコースに向かって装備を着けた。さあ行くか。
粛々と周回を重ねる。路面はややぬかるみだけどベスコン、暑さもまだマシ。楽しくなって嬉々として走る。
しかし何周目かに抜きにかかった瞬間、ハンドル同士が接触して相手共々転倒してしまった。僕が後ろから当てにいった格好だったので、非常に申し訳なかった。
後ろを振り返ったらしかも相手は女性で、マーシャルに助けられて再始動。その場ですみませんと謝って、彼女が出たのを見送ってからリスタートした。確かゼッケン10番のヤマハHT90の方、見てないだろうけど改めてごめんなさいでした。
脇腹とひざを少し打ったけど、バイクも大丈夫そうなのでそのまま走り続ける。なんだか変なアドレナリン出ちゃったみたいで、結局僕も壊れたハツカネズミのように50分近く走り続けた。奥様のピット指示が入って選手交代。
奥様も20分程度走りきり、徐々に終わりが見えてくる。
DTは今回もぶん回されて、1速がかなり怪しい状態になる。回転が落ちなくてとんでもなく唸り続けたり。
どうにか騙し騙し周回を重ねて、最後は虹色社長のフィニッシュとしたいところだったけど、「ブーツ脱いだしもう満足♪」とご辞退されたので、最後は僕が変わって最終出走。
そして無事にフィニッシュ!派手にガッツポーズしてみたり。
順位とか関係なく、嬉しかったなあ。前回DNFでしたから。
泣く。
いや笑う。
表彰式に出てみたら、耐久もまさかの4位入賞で盾をいただきました!
そのうえ奥様は「特別賞」とかもいただいて、めちゃくちゃ格好よくてしかも高価なモトパンゲット。うらやましー。
虹色社長は表彰式を待たずして颯爽と帰って行きましたが、男前は去り際さえも男前なのであった。
さて、夏の泥祭りが大盛況のうえ終わったところで、今週末からは北海道。まったくのノープラン。道北か道東か、はたまた道南か、未だに決めかねている。そろそろ考えなきゃ。