GW関西ツーリング2019 〜5日目

5日目、5時起床。

一瞬やんでる?と思った雨もまたシトシトと降り始める。この場所は次の予約が入っているので9時には出なきゃいけない。やみそうにないのでぼちぼち支度する。

豆とフィルターは持ってきたのにドリッパーを忘れ、コーヒーが飲めずにいたが、昨日のスーパーでカリタのドリッパーが半額だったので買って、今朝はモーニングコーヒーに与る。ささやかな喜び。

雨の設置も嫌なものだが、撤収も負けず劣らず気が滅入る。カッパを着込んでびちょ濡れのテントを畳み、バイクを持ってきて荷を積む。

7時30分出発。四国は雨だったなぁ。後ろ髪引かれる思いで瀬戸大橋を目指す。

開いてるうどん屋があれば片っ端から食べていこうと鼻息荒く1件目、セルフさぬきうどん「こがね製麺所

かけ小にかしわ天とレンコン。ちょっと欲張った。旨い。でもチェーン店だったか、丸亀製麺との違いがわからない。

ごちそうさまと店を出てまたカッパを着込む。メンドーでつけなかったブーツカバーを今更ながら履く。遅いな。しばらく走ると良い感じのセルフうどん屋を見つけて駐車場に乗り入れるも、腹一杯で入店断念。無念なり、こっちだったかも。

霞みがかった瀬戸大橋を渡る。天気良ければ見晴らしも良いだろうねえ。

与島PAでイイダコ串500円。やはり鮮度が良い、旨い。

昼を過ぎてようやく雨が止む。今日は曇りではあるがもう降らないだろう。いろいろびちょ濡れたけど、降ってないだけで気分も爆上がり。

山陽自動車道に乗って山陽ICを下車。本州帰還。岡山県に入る。
今日の野営地は、幡降山普門院というお寺の敷地内にある「幡降野営場」。そんなところ初めてで、とても楽しみにしていた。どうやらボーイスカウトの活動を支援しているお寺さんのようで、一般客にも無料で開放している。管理人はもちろん住職である。

雨の中、あまり立ち寄ることもなく走ってきたので随分早い。雨もやんだしさっぱりしたい。風呂を探すと近くに「天然温泉ツルの湯」があって迷わずゴー。

昨日入ってなかったこともあり、寺入り前に身も心も清められる。合掌。
スーパーで買い出しして普門院へ。県道から逸れて幡降山へ向かう細い山道を上がっていく。やがて道行く先に、普門院の重厚な正門が見えてくる。

うーわー。すごい空気感。遠くからでもその荘厳さがわかる。

近づいてみる。豪華さはないけど背筋が伸びる美しさ。

提灯に「少林寺」と書かれていたらそのまま信じただろう。気分は三十六房のリュー・チャーフィーである。

参道入口までバイクで入り、この先上がって良いものか迷う。あまりにも罰当たりな気がして、バイクを停めて歩いて登る。サイトは3段構造になっていて、一番下でテントを張っていた若いご夫婦に声をかけた。

「こんにちは。あの、この上が受付ですかね?」
「ええ、上がって家の軒先きに紙がありますよ。でも今お留守みたいで電話してと」
「ここをバイクで上がっても?」
「大丈夫です。車も上がってますから」
「ありがとうございます」

バイクに戻って、境内までの急な坂をドコドコと上がって行く。
住居の軒先きを見るとテーブルがあって、申込用紙と敷地内の地図、「留守のため〇〇○に電話ください」の書き置きがある。番号を見ながら電話する。何度目かのコールのあと住職らしき方が電話に出た。

「もしもし。あの予約したnovotelという者です。今着きまして」
「ご苦労様。申し込みの用紙がありますので、それを書いてください。書いたらバインダーの一番後ろに回して。サイトはわかりますか」
「ええ、この地図のところに張っていいんですかね」
「一番上はボーイスカウトがいますから、中段かその下が良いかもしれませんね」
「わかりました」
「トイレと炊事場はわかりますか?地図にありますけど」
「ええ大丈夫です」
「あと2〜3組来ますんで譲り合ってお使いください。ではどうぞ」
「ありがとうございます。お世話になります」

中段と下段のサイトを見て、中段に決めてバイクを停める。先客が二組。適当な間隔をあけてテントを張る。

緑や花々に囲まれた、素朴だけど美しい場所である。午前中までの雨で地面も濡れてるけど、それがまた木々に潤いを与えて空気が浄化されている。

お寺の境内で寝泊まりなんていうと、多少の怖さや不気味さみたいなものを連想するかもしれないけど、全くそういうことは無い。むしろ、思わず手を合わせたくなる有難い空気感と心が洗われるような清らかな気が満ちている。うまい表現が見つからないけど、つまりはこの場所すべてが癒しなのである。こんな感覚のサイトは初めてだった。

テントを張って、早速本堂への階段を上がる。
参道横にはツツジや桜などたくさんの木々が豊かに茂っている。本堂は正門と同様、あくまで素朴だ。美しい場所に美しく建立された本堂が凛と立つ。

お賽銭をして(キャンプ場のおおよそ相場であろう500円程度は入れたかったが、小銭が200円しかなく申し訳ない)手を合わせ、お邪魔しますと一礼する。

本堂横を通り抜けると、まさに少林寺の修行にでも使いそうな開けた場所に出る。なんだかわからないけど妙にアガる。三節棍でもあればアチョーとしたいところである。

ふと横を見ると薪がたくさん積んであって、不躾かと思うも先ほどの番号にリダイヤルしてみる。

「あ、度々申し訳ありません。あの、もし可能でしたら薪を少し分けていただくことはできないでしょうか?」
「薪ですね。今どこにいらっしゃいます?本堂の横に行っ・・・・プープー」

切れてしまう。電波が悪いのか。あまり何度もいうのも失礼なので、仕方ないと諦めると住職さんの方からかけ直してくれる。

「ああ、薪ですね」
「すみません。今本堂の横におりまして、薪が目に入ったものですから」
「でしたらおわかりですね。ブルーシートの屋根の下の。ええ、売り物ではないですけどお分けします。心ばかりでもお賽銭をお願いできれば」
「はい。ありがとうございます。では、少し頂戴いたします」

なんともありがたい。南無阿弥陀仏。

片手ほどの薪を持ってサイトに戻ると、横浜ナンバーのBMW R1200GSのお兄さんが到着する。

「隣、良いですかね?」
「ええ、どうぞどうぞ」

さらにKAWASAKI Versysのおじさまも到着し

「隣、良いですかね?」
「ええ、どうぞどうぞ」となる。

日が暮れてきて、焚き火をしながらGSのお兄さんとあれこれ話す。
横浜から岡山までずっと下道で来たそうだ。さすがGS。明日は四国に渡って(ここで初めて有料道路、瀬戸大橋に乗る)ご友人と合流し、四国屈指のロングダート、剣山スーパー林道を走るのだという。オフ車乗りの至極まっとうな四国の楽しみ方。羨ましい。

「実は僕もちょっと前に、GSへの乗り換えを考えましてね」
「そうですか。良いですよGS」
「空冷ってどうなんでしょうね」
「私、これの前は空冷GSだったんですけど」
「ほお、違いますか?」
「全っ然違いますね。もう戻れません空冷には(笑)」
「マジですかー」

さらに遠のくGS。ビーエムは最新を買えってか。むー。

今日の酒は昨日の残り、川鶴を飲みながら肉を焼く。食材ちょっと買いすぎてずっと食ってる。まあいいか。ようやく明日は晴れ予報。かねてより行ってみたかった瀬戸内のピッツェリアへ向かう。

22時テントに潜り込んで爆睡。

 

とらまる公園キャンプ場 〜 幡降野営場(岡山県赤磐市) 走行距離:165km

 

 

 

 

1件のコメント

  1. 少林寺三十六房なんて懐かしすぎますwしかし、その言葉がよく合うキャンプ場?お寺?ですね!よくこういう珍スポットを探せて尊敬します。今度岡山に行ったら行ってみます^^

    • nmindさん

      どもです。あちょー。
      機会があったら行ってみてください。パワースポット的な気持ちいい気が流れてますよ。あそこの良さ、nmindさんならわかって頂けるかと。コメントありがとうございます^^

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。