童貞おかわり 〜’81 DT125

「知り合いにDT125売りたいって人がいるんだけど」

奥様からそんなメッセージが届いて、真っ先に彼の顔が浮かぶ。友人の山ちゃんである。
彼は職場の後輩であり、20年来のバイク仲間であり、僕にとってはオフロードの師匠で、旅においても羅臼でワカメ漁をしたかと思えば日本を2周しちゃうけっこう器のでかい男である。そんな彼がDT125を探しているのを知っていたので、この話を振ってみた。

「買います」

ほぼ即答で返事が来る。
チキチキで何度かDTに乗るうちに、扱いやすさやダルな部分も含めて気に入ったらしく、良いタマがあればと思っていたようだ。なにせ不人気車だから価格の高騰しているツインショックに比べて安いし、パーツも比較的出る方だし、レーサーほど神経質にならなくて良い。正直DTの戦闘力は高くないんだけど、彼は僕より明らかに速く走らせることができる。悔しいけど腕の差だ。

お目当のDTは空冷最終年である1981年式。型式4F2で俗にいう3型である(僕のは’79年3G7の2型)。2NOの熟成モデルで、CDI点火、スイングアームは角パイプに変更された。
オーナーであるライターの「Sさん」を紹介し、あとは当人同士ですんなり話がついたらしく、休日に軽トラで引き取りに行った。じゃあせっかくだし処女航海といくかと、千葉県いすみ市の源氏食堂まで、いすみ豚を食べにプチツーリングへ。

朝、セローに乗って京葉道路から千葉へ。彼の住む上総一ノ宮を目指す。

うちの童貞号はなんちゃってレーサーなので公道走れず。大原駅近くのコンビニ駐車場で待ち合わせて11時到着。いたいたー。

令和だというのに我々だけ昭和真っ只中。80年代の面構え。

外観は年式相応にヤレてはいるが、機関は好調らしい。キック2、3発踏むとすんなりかかる。ブリッピングすると僕のより反応が鋭い。

「いいねえ」
「じゃあ乗ってみてください」

ガラガラの県道で5速まで引っ張ってみる。速いね。
スプロケットが純正の15-45なのもあって伸びが良い。そのぶん下がスカスカで、モトビのような細かいコースだとちょっと扱いにくいだろう。やっぱり少し減速比あげた方が良いかもね、なんて話をしながら源氏食堂へ。

いつもは豚肉塩焼きライスなんだけど、今日は嗜好を変えて、僕はカツライス上(トンカツ)、山ちゃんはポークソテー上。

トンカツがジューシーでうまーい。一切れずつ交換してむしゃむしゃやる。ポークソテーは結構噛みごたえのあるしっかりした肉でした。

土産にトンカツ用生肉を3枚買って、さらにプチ散歩へ。

2020年東京オリンピックのサーフィン会場を見てウロウロ。気持ちいー。

そのあと彼の案内で、海岸沿いにあるインフィールドに入り込んで、サンドと砂利ダートでDTを振り回して遊ぶ。ちょー楽しいんですけどー。

特に砂利のフラットダートは程よく長さも起伏もあって、軽量のDTをスタンディングでぶっ飛ばすと最高に気持ちいい。

 

和菓子屋で大福買って近所の玉前神社にお参りし(平和だ)、彼の家でコーヒー飲みながら大福を食べ、ハイテンションな子供達の声を聞きながらDTを軽くバラす。

ひとしきりダベって夕方解散。東京までまた京葉道路で帰る。

これで次回のチキチキはさらに楽しくなるぞと。

 

 

 

 

 

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