俺も、来年本気出す

何かの記念日でもない限り、おいそれと自分では行けないような良店にお誘いいただいて、友人とサシ呑み。

日本酒好きの彼と、荒木町の小路に隠れるように建つ割烹で待ち合わせ。小ぢんまりとした落ち着くカウンター席に腰掛けて、いざ乾杯。

この時期にしか味わえない香箱蟹をはじめ、上品な酒の肴に舌鼓を打つ3時間。

嗚呼、美味しい食事を美味しい酒で楽しむ時間の、なんと豊かなことよ。
「これだけ美味しいものって、日本でしか味わえないですよね」彼が言うとまた説得力がある。

日本酒のピッチが上がるにつれ、バイクの話も熱を帯びてくる。
真冬の宗谷岬でいかに年越しするか、とか。

最後に彼は、「しば漬け食べたい」みたいなフラットなトーンで「冒険がしたい」と言った。

充分に立派な役職を担う彼も、紛れもなく無邪気な男子だ。あるいは、こういう人だからこそ、妙妙たる何かを成し遂げられるのかもしれないな、と思った。

これだけ褒めちぎっているのは、ご馳走になったからばかりではない。いや、多少はあるか。「こちらからお誘いしたので」と全部払ってくれた。

オレも来年そんなこと言える男になりたい。
ご馳走様でした。

 

 

 

 

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