年頭まくら

正月は冥土の旅の一里塚とはよく言ったもので、今年も着実に僕の寿命が1年減った年となりました。今更どんな正月だったかを記すにはあまりに時間が経ちすぎていますし、僕たちは未来へと進んでいくことが正しいのだとするならば、たとえそれが陰毛の中に白髪を発見するような旅だとしても先に進んでいくことが正しいのだとするならば、振り返る必要などないのかもしれませんが、要約すれば酒とペーパーハウスな正月でした。Netflixサイコー。

そんなことより歳をとるとほんとに痩せませんよね。痩せない。
ほとんど努力もしていないんですが、その想定値を超えて蓄えていきます。不思議なくらい。どうなっちゃってるマイバディ。てゆーかマイポッコリお腹。あの若かりし肉体の、食べたいものを食べたい時に食べたいだけ喰らってもほとんど変化のなかった頃の面影など露ほどもありません。『三が日、嘆かわしかな、我がお腹』という句を自らに捧げたいほどなのであります。酒ですな。酒ですとも。我々は酒と女体からは逃れられない性なのであります。本能であります。だから痩せるわけがありません。

まあいいよね、正月だし。

そう呑気に構えていたのも束の間。気がつけば仕事が始まり、始まったらいきなりライオンの檻に放り込まれたようで泡食っております。若い衆が弾ける笑顔で課題を投げつけてくるのですな(振りかぶって思いきりね)。やる気がすごい。眩しいぞ君たち。脳のメモリが24メガバイトしかない僕にとっては、どの案件をどう組み立てていくかそもそも何から手をつけていくか走って逃げてしまうかああもうお前らなんなん?という状況に陥るわけですが、さりとて、わたくしも47年生きていればそのような対処法も自然と身についているものです。

僕の場合、フロアの端っこにある廃棄コピーの収集袋へ行って、A3用紙をバサッと持ってきてお気に入りの色つきボールペンで頭の中に浮かんだことややらなきゃいけないことを片っ端から殴り書きしていくのです。書き出しながら頭の霧が晴れていくのがわかるのです。あらかた出尽くしたらそれらを分類し「概要から詳細へ」という念仏を唱えながらロジックを構築していくのであります。

この作業そのものが24メガバイトの脳キャッシュを解放する、すなわち精神の安定を取り戻す儀式であり対処法なのです。イラストレーターのきたみりゅうじさんが全く同じことを言っていて、ああやっぱり40代は紙を前にしてカキカキするよね、と妙に腑に落ちた次第。

あ、いかん。

旅かオートバイの話をするべきでしょうか。

またの機会にするといたしましょう。
今年もよろしくお願いします。

 

 

 

 

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