ホイールベアリングの打ち直し 〜セロー225

先日のこと。

セローのタイヤ交換をしようとしてホイールを外したら、ベアリングが崩壊してボールが落ちた。こんなこと初めてだで。推定30,000キロ以上走って寿命だったみたい。内側の輪っかが抜けて、ベアリングの外周だけ残ってる。これ、外れるのかしら。外れないと困る。
とりあえず、他も全部交換するつもりでベアリングやシールを注文。届いたベアリングは冷蔵庫に入れて冷やしておく。

安物のプーラーが役に立つか。

まずは壊れたベアリングから。
プーラーは3本の爪を内側から引っ掛けるタイプ。ベアリングの向こうにカラーがあると爪が当たって入らない。仕方ないのでボールの凹みに爪をかける。ガストーチでハブ側を熱して慎重に回してみる。

やはり引っかかりが弱くて爪が外れてしまった。ダメか。いろいろ試すけれど縁にかけないと外れそうにない。奥まで入れるにはカラーが邪魔。さて、どうするか。

カラーは左右には動くので、片側に寄せといて爪2本で抜く戦法。3本は入らないけど2本分の隙間は確保できる。縁に2本の爪をかけてゆっくりとレンチを絞ると、「パキン!」と音を立ててベアリングが浮いた。よっしゃ。

外れたベアリング(の残骸)。

ブレーキ側はこのひとつで完了。反対のスプロケ側には2個入っているはずである。

ホイールをひっくり返してオイルシールを剥がすと、最初のベアリングがコンニチハ。指で回してみるとゴリゴリした感触。こっちもやっぱりダメになってる。その奥にもうひとつあるはずで。だけど爪を引っかける隙間がない。うーん、仕方ない買いに行くか。こんな時は別の手段。

近所のホームセンターに行っていろいろ買ってくる。

特に必要なのはコレ。コンクリートアンカー。
こいつをベアリングに打ち込んで、裏からひっぱたいて外す。つまりは内側から開いて固定するベアリングプーラーと同じ原理である。これは10本入りで250円だけど。その手のプーラーは1万円以上するし、出番も少ないので買わない。

ベアリング内径が16mmなので、15mmのアンカーボルトがぴったりである。あとは10mmの長ボルトをいくつか用意。全部買っても数百円。

ベアリング内径に食い込むように位置を合わせて、上からハンマーで叩き込む。プラグが開いてベアリングに噛む。裏に10mmボルトを連結してるので、ひっくり返してボルトを叩くと、うまく噛んでればベアリングが上がってくる。

うまくいったね。

こんな風にアンカーがベアリングにがっちり固定されてれば外れる。

続いて奥のベアリングがコンニチハ。
セローはリアに3個、フロントに2個のベアリングがある。リアはあと1個だぞえ。

叩き込みすぎてもまずいので、一応深さを測っておく(奥まで入れて問題なしです)。

これはうまく爪がかかりそう。

「パキン!」と小気味いい音がして、やっと正規の使い方で外せた。

よーし、全部取れたー。

ベアリングが取れればカラーも抜けます。気分的にカラーの表面を少し均す。

さて、次は新しいベアリングの圧入。

冷蔵庫で冷やしておいたベアリングに、たっぷりとグリスを充填してまっすぐに打ち込んでいく。冷やすのは多少でも金属を縮めておくためですね。ホイール側は逆にトーチで熱して膨張させて入れやすくする。

ドラムブレーキ側のベアリングだけ部番が違ってシール付き。ブレーキダストの混入を防ぐためでしょう。

シールを傷つけないように、径の合うソケットなんかで優しく叩いていく。冷やしが効いてるのか簡単に入る。ツライチまで入れて完了。指でスムーズに動くか確認。全然違うやんけ!

反対側。忘れずにカラーを入れて

同様に2つ打ち込んで、最後にオイルシールを付けて完成。やっとジャッキアップしたまま鎮座してたセローを動かせる。

フロント側もやるけどそれはまた今度。こっちも触ったらベアリングゴロゴロ。おうふ。

 

 

 

 

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