始まりはここから

失われた2ヶ月を経て、分散出勤はじまる。

僕は来週から出勤。でもうまく会社復帰できるかわからん。これまで意識的にせよ、無意識にせよ持っていた、「勤め人としての既定」をどこかに置いてきたようじゃなわしは。
緊急事態宣言の解除となってから、東京の感染者数がまた少し増えて「東京アラート」という新たな警戒体制が発動される。なんでもかっこよく言えばいいってもんじゃないけどね。首都圏の解除は早かったのでは、という懸念と背中合わせにある経済的な落ち込みを早く打破しないとというせめぎ合い。密閉・密集・密接を抑制したとたん、経済が回らなくなるというのは、資本主義社会における欲望がその3つに依存してきた、ということなんだろうね。欲望は密度を必要とする、と言い換えてもいいかもしれん。

緊急事態が解除されても、「さて遊びに行くか」というほどの切り替えには至らず。奥様のスポーツスターにタンデムして、せいぜい都内をぶらっと散歩する。
いつもの銀座、築地を抜けて台場、大井ふ頭方面へ。城南島海浜公園で休憩して、普段は買わない缶コーヒーなんか飲みながら、ゴミだらけの浜辺に腰をおろしていっときの安らぎを得る。

そこがたとえ汚れた海であっても、海であることに違いない。わずかに潮の匂いを感じることもできる。人出はちょっと驚くほどの多さで、家族がポップアップテントを所狭しと芝生に建ててた。理想的な休日のひとコマ。普段どおりの日常が戻ったのでは、と錯覚するがそう甘くはないぜ。

メカニックから電話がきて、もう一週間待ってもらえますかというハナシ。車検を頼んだワイドグライドのことだ。

「全然急いでないから。大丈夫っすよ」

レーンを通すまでいろいろあったらしく、検査場に着いたらハイビームが点かなくなり、急場しのぎでどうにか通したそうだ。さらに、僕が預けた納税証明書がうっかり領収書だったことがわかり、僕の住む役所まで取りに来たというオマケつき。

「ご、ごめん」
「いえ、僕の確認ミスなので。それでライトなんですけど、ちょっと配線まとめて良いですか?」
「もちろん。お願いします」

「部品代だけ」といわれ恐縮である。
そんなわけで帰還は週末に。金曜日には奥様のスポーツスターをユーザー車検。こっちはすんなりいくと良いけど。

 

 

 

 

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