森下にある「ベッラ・ナポリ」の池田氏の手記を読んで、オーバーナイト発酵を試す。
低温長時間発酵はパン作りでは比較的メジャーな発酵法で、フランスの個人経営のパン屋さんの70%がこの手法でバゲットなどを作っているらしい。
化学的に生地にどんな変化が起きているのかはわからないが、長時間寝かせた生地はオイルを塗ったようにしっとりと艶があって、リラックスした状態になる。冷蔵庫で15時間、35時間寝かせたものをそれぞれ焼いてみた。
久しぶりにHBでのパン作りも。上のパンは奥様作。
これは35時間発酵。このように艶やかになる。
正直なところ、時間による違いはよくわからなかった。常温に戻した後の温湿度の方が、シビアに生地の違いに表れる。
小麦粉、水、酵母、塩。このたった4つの材料を、どう扱うかにこれほど諸説ある奥深さに僕はあらためて感嘆するのだが、地図のない森に迷い込んだような途方のなさも感じる。
生地をまとめ、こね、スケッパーで何度か切断し、またまとめ、帯状にしてひねり、打ち台に叩いて、またこねる。それを何度か繰り返す。これは固すぎるグルテンを分断して、適度な固さにするためらしい。
今回粉はカプートとはるゆたかを7:3比率で混ぜる。
話は逸れるが今使っているはるゆたかは、江別製粉のものとは成分が少し異なるらしく、そのせいかはわからないけど旨味や風味が今ひとつな印象がずっとあった。あっさりしすぎている。品質が常に一定であるとも限らないが、使い切ったら次回は違う粉を試してみよう。
ふたつに分けて丸め、番重に入れて二次発酵。寒くなってきたせいか、あまり発酵の力が強くない。
15時間発酵 マルゲリータ
同じく15時間 ベーコン、しめじ、ブラウンマッシュルーム、ローズマリー
35時間発酵 マルゲリータ(大葉プラス)
同じく35時間 ベーコン、ズッキーニ、しめじ、大葉、余ったトマト少々
オーバーナイト云々より、シソって美味いなあ。DNAに訴えるうまさ。
今後は天然酵母にもチャレンジしたい。