アグロピッツェリア ダ パンダ

アグロピッツェリア ダ パンダ」は、若松河田にあるパンダのキャラクターを随所に散りばめた、一見ユニークで可愛らしいピッツェリア。若い女性オーナーが切り盛りしている。だがしかし、見た目の可愛らしさだけに騙されちゃイケマセン。ここは僕の注目度ナンバーワンの店である。それは女性オーナーだからというわけじゃない。それもまぁ、少しはあるか。

こちらのオーナーは「フォルニーノ」というキッチンカーでの営業も並行してやっている。固定店舗とキッチンカー、両方やってる店は他にもあるけど、そんなに多くはない。そしてこの妙齢の女性は畑もやっていて、ピッツァに使う野菜も自ら栽培してるという、ポテンシャルの高いお方。車両はサンバーベースにガス窯積んで、各種イベントなどで出店してるらしい。

新宿にほど近い若松河田に固定店舗、国立に畑、キッチンカーで移動販売。素晴らしいじゃないか。この生き方、マジ憧れちゃうわ。そう簡単にできることじゃないと思うけど、なんだかこのオーナーは涼しい顔してサラっとやってるようで、かつユーモアも忘れないんだからとにかくカッコイイ。

そんなベタ誉めなダ パンダなのだが、ではお味の方はどうなのよと、ようやっと日曜日のランチに滑り込みで食べに行くことができた。若松河田の駅をおりて徒歩2~3分で到着。あ、なんかこの店好きだーって感覚がすぐにくる。店構えっていうかですね、特別洒落てるわけでもないんだけどイイんですわ空気が。

ランチタイムぎりぎりだったのもあって店内はわりと空いてたけど、僕のあとに2~3組入ってきたりテイクアウトで買っていくお客さんもいた。窓際の席をとってメニューに目を落とす。店内の雰囲気もすごく良くて、窓からの日差しが心地良い。薪窯はこの店の顔にもなっているパンダ窯。手塗りだと言っていた。キャッチーで子供へのウケは最高だろう。

Aランチのセット
マルゲリータ(ちびサイズ18cm)
かぼちゃのスープ
グリーンサラダ
これで950円
赤のグラスワイン350円を追加してオーダー。

基本的にピッツァは18cmの「ちびサイズ」と、28cmの「ふつうのサイズ」の2種類が用意されていて、価格差が確か300~350円くらいある。どちらのサイズもそもそもの料金設定が、かなり安い。
そして僕も作っていて思うのは、「少しサイズを小さくしたくらいでは、原価はそれほど下がらない」という現実。つまり、ちびサイズは原価率もきっと高いだろうし、作る手間だってふつうサイズと変わりないんだから、このサイズを格安で用意してるってことは、単純に「お客様のことを考えて」やっているということが分かる。
コストが一番かかるのが、おそらくチーズだろうけど10cmサイズダウンしたところで300円も引けるとはちょっと考えにくい。

誤解を恐れず言えば、高い材料を使ってそれなりの技術が伴えば、旨いピッツァは作れる。だけど僕の感覚では、2,000円のピッツァはやはり高い。その金額になる理由はわかるが、気軽に食べられる額ではない。その点、ダ パンダの価格設定はすごく理想的で、そういう意味では数多ある有名店よりも余程興味があったのである。味がこれに伴っていれば凄いことだ。

最初にセットのサラダ、そしてかぼちゃのスープが運ばれてくる。スープは季節によって変わるらしい。このスープが絶品。初冬の日曜日のランチにはこれ以外ないと思えるほっこりした旨さ。そしていよいよピッツァが焼きあがる。

18cmは確かに小ぶりだが、物足りなさは僕にはまったくない。食べ盛りの男子ならふつうサイズが良いだろうが、女性とか一杯飲みながらつまむとかなら、むしろちびサイズで良い。

6等分されたピッツァをひと切れとって頬張る。旨い。
生地は余計な味がしない。かなり薄めで軽くもっちりしてる。コルニチョーネは適度な厚みでふかっとエアリー。過度な塩分もなくバランスが良い。その分トマトソースはちゃんと塩味ついてて引き締めている。良いなあ、旨いなあ。

で、モッツァレラ。これは多分乳牛のフレッシュタイプ。もちろんこの値段でブッファラ(水牛)は無理だろう。極上じゃあないけど普通に旨い。何切れかわざと少し冷えてから食べるという意地悪したけど、やはり冷えれば少しモキッとした食感が立つ。でもこの値段でこの旨さって、次元が高い。教えてくださいこのチーズ。

「ごちそうさま。旨かったです。また来ます」

そう声をかけて店を出た。
あまり話はできなかったけど大満足。
次は奥様と行って感想を聞こう。

 

 

 

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。