北海道ツーリング2017 〜0日目

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7月29日(土) 自宅~新潟港 360km 曇り一時雨

午前2時。軽く仮眠をとったあと、奥様に見送られて自宅出発。
空模様は薄曇りで蒸し暑い。いつもの革ジャンにするか、軽めのジャケットにレイヤードするか、最後まで迷う。暑さに顔をしかめながらマックスフリッツの革ジャンに袖を通したが、これは本当に正解だった。北海道はこの下にインナーダウンを着るくらい、場所によっては肌寒かった。

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新日本海フェリーが新造船になって、新潟出航が11時45分と1時間ほど遅くなった。船速が上がったためで小樽への到着時刻は変わらない。いっそのこと新潟までした道で行くことも考えたが、上陸前に精魂尽きるわけにもいかないし、素直に練馬ICから関越に乗ることにした。
この空模様だと赤城高原辺りで霧が出るかもしれない。嫌だなあ。

適当に休憩しながら北上。関越トンネルを抜け、霧だか雨だかわからない水滴がシールドを濡らしだす。降ってるという程でもないが、覚悟を決めてPAに入りカッパを着る。できればカッパなんて着たくないけど。PAを出たら間もなく本降りの雨。勇気ある決断が身を結んだぜ。自分の判断に気を良くして北上する。赤城高原で霧は多少出たものの、さほど酷くはならずに済んだ。

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関越道から北陸道へつなぎ、新潟亀田ICで高速を降りる。ETCで3,900円。雨もやみカッパを脱いで給油と買い出し。午前10時、フェリー乗り場到着。

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乗船を待つ間、腹が減って買ったばかりのおにぎりやパンをむしゃむしゃ食った。やがて係員の合図とともに、1台ずつスロープに飲み込まれていく。

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新造船のツーリストCは、以前の二段ベッドより洗練されていて快適。ロールカーテンが良いよね。Aとの違いは毛布かキルトケットかだけ。取れるなら断然Cをオススメします。

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そしてついに、客室にコンセントが付いた。これでスマホの電池切れに怯えることもない。

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代わりに客室以外のフリースペースが減って、窓際椅子の座り心地もイマイチに。あの窓際にズラっと並ぶ席の争奪戦が好きだったんだけどな。そうそう、映画の上映も無くなりました。それがなにより残念。でも新造船の露天風呂は、海風が火照った顔を冷まして最高に気持ちが良い。
やるね、新日本海フェリー!

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北海道行きのフェリーに乗るライダーにはお約束の行動パターンあって、乗船したら何はなくともまず風呂、というのがセオリーである。なぜならば、オートバイの乗船は一番最初なので、車組が乗ってくる前に済ませてしまうのが「わかってる」人のやり方だ。

結局、ほとんどの汗だくライダーがわかってるので、荷物を置くやいなや速攻で風呂に行く。だから本当に空いているのかどうかは定かでないんだけど。

 

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ひとっ風呂あびて、窓際の椅子で海を見ながらビールを飲んでいた。3本目をあけてウトウトしていた僕に、彼女は話しかけた。僕がうたた寝してたとは思わなかったのだろう。

「そのビールとこれは違うの?」
「え?あ、えーと。これは・・・新潟限定、ですかね」
「わたしのは北海道限定よね」
「ああ、そうですね」
「でもあれよね、結局中身、同じなんでしょ?」

サッポロCLASSICを手にした、年の功は50代半ばくらいだろうか、上品なご婦人がいたずらっぽく笑いかける。普段は都内にお住まいなのだが、小樽に別荘をもっており、年に1度行って休暇を楽しむのだそうだ。

「いつもはもう少し早い時期に行くんだけど。この時期は混んでるわね」
「おひとりですか?」

そう聞いた僕の背後から、ひとりの紳士が近づいてくる。

「旦那とよ」彼女は目配せする。
「ああ、そうでしたか。別荘とはなんとも羨ましい話ですね」
「バイクで旅するんでしょ、近くに来たら寄りなさいよ。あたしの名前は礼子。番号はね・・・」

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フェリーでの嬉しい逆ナン。
お互いの連絡先を交換したが、残念ながらその後会う機会には恵まれなかった。そんな一期一会もありながら、船は北の大地へ向かう。

 

 

 

1件のコメント

  1. いつも楽しく見ています。
    この北海道ツーリングは特に!
    まるで小説を読んでるような錯覚に陥るくらいの
    文才に憧れます!!
    とりあえずお疲れ様でした。

    • ぐるちゃんさま

      お久しぶりです。セロー楽しんでいらっしゃいますか?
      コメントありがとうございます、褒め過ぎです(笑)
      照れますが、とても励みになりました。

      自分の好き勝手に書いていることに、おひとりにでも共感してもらえるとやはり嬉しいものですね。最初は数人が覗いていく程度のサイトでした。今は月間5~6,000ページビューくらいになります。ありがたいことです。今後も楽しんでいただければ幸いです。

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