バイク旅に釣りを絡めるならテンカラがいいと鼻息荒くおすすめする件

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ようやく春の暖かさが続くようになって、水生昆虫のハッチも盛んになるこの時期。僕のナマクラ刀を振り回すようなへたくそな釣りでも、うまくすればどうにか釣れるんじゃないかと思える。薮が生い茂る前に、道志川の支流「櫓沢川」の堰堤上流へ向けてセローを走らせる。

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僕がテンカラを始めたのは昨シーズンのことだから、つまり、あまり真剣に聞いてもらっても困るのだけど、バイクの旅に釣りを加えるならばテンカラという釣り方が良いと鼻息荒くおすすめしたい。

なぜならば、まずこれ以上ないほど道具が簡単なところ。

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オートバイという性質上、積載できる荷物には限りがある。徒歩よりは持てる。しかし車ほどは積めない絶妙な量。車の荷室にあふれんばかりのキャンプ道具を積むことが悪いだなんて言わない。むしろ、羨ましいと思うことだってある。だけど、いくら羨ましがったって、我々ライダーにはオートバイという細く限られた空間しか与えられていない。だから、何を持って何を排除するか、どんな道具を選ぶかに頭を悩ませるんだ。

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テンカラという釣りに必要なのは、竿と糸と毛バリだけ。
竿は3メートルくらいのものを使うけど、仕舞い寸は40cm程度のものだから、キャンプ道具のわきにさっと忍ばせれば全く邪魔にならない。構成もいたってシンプルで、竿に糸をくくりつけ、糸には毛バリをくくりつけ、それを振り回して流すだけ。小難しい理屈や流儀などいらない。

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なぜならば、ほどよく適当であるところがバイク乗り向き。

フライフィッシングも毛バリを使うけど、その根底にある思想は随分違う。
フライフィッシングには「マッチザハッチ」の考えがあるが、テンカラ毛バリは案外適当だ。それがいい。バイク乗りはそんなこといちいち考えたくないのさ。虫っぽい毛バリが付いてりゃオーケー。

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なぜならば、テンカラとは川漁師が仕事として行っていた釣法だから釣れる。釣れりゃバイク乗りだってハマっちゃう。

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もともとテンカラは職業としての漁なのだ。いくら釣りづらい状況であれ、数匹は持ちかえらねばおまんま食い上げだ。だから僕のような下手っぴでも、うまくすればこんな黄金色のヤマメだって釣ることができる。

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なぜならば、テンカラはあまり金がかからないこと。

僕はルアーもやるけれど、櫓沢川みたいな小渓にミノーなんか投げ込むと、すぐ根掛かりするんだ。ルアーは安くたって1,000円~1,500円くらいはするだろう?
一投で川底に数千円を放り込むなんて、精神衛生上良いわけがない。そんな金があるならタイヤ交換でもするってものさ。

その点毛バリなんてタダとは言いすぎだけど、10分の1くらいのもの。しかも引っかかっても取れやすい。

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なぜならば、そもそもソロキャンプなんかするライダーは、ぼけっとすることが得意だから。

テンカラは気楽な釣りだけど、アプローチだけは大事なんだ。
川にどう向き合うかで釣果の8割は決まってくる。自然と一体にならないと駄目なんだな。場所によっては、迷彩服着て匍匐前進するような心持ちじゃなけりゃ、まず釣れないねなんて言われちゃう。岩と化し木と化し山と同化することで、魚は初めて毛バリに食いつく。釣りたいオーラを竿先からビンビン発してちゃ、魚だって御免だよ。ライダーはよくテント脇でぼさっとするだろう?無の境地ってやつだね。

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そもそもバイクの旅に釣りを加える気など無いという向きも、長い間ツーリングなどというものをしていると、テントのすぐ傍に美しい渓流があるシーンに出くわすことも一度や二度でないはず。

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夜は酒を飲み、早朝朝日を見に行くついでに竿を出してみれば、これまでのツーリングがまた違った景色になる。

旅の中に釣りを加えたことが結果的に釣りのための旅に変わっても、それはそれで楽しいと思う。ツーリングにいささかのマンネリを感じてるご同輩がいたら、手軽なテンカラロッドを荷物の脇に挟んでいくことをおすすめするよ。

 

 

 

1件のコメント

  1. 同じことを今日考えていました。
    先週テンカラ竿を買いました。

    • マズメの忍者 閃神夜さま

      テンカラ楽しいですよね。僕は単なる下手の横好きですけど。
      今期は残念ながらまだ行けてません。仮に釣れなくとも、渓流でのんびり毛鉤を振るのは贅沢な時間ですよね。やはりバイクで行かれるでしょうか。
      コメントありがとうございます!

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