ポッキリと。
先日のこと。今や本流よりすっかりお気に入りとなった、櫓沢川の小渓で竿を振っていた時のことです。早朝は降ったりやんだりのあいにくの空模様でしたが、堰堤の先まで林道を歩き、入渓する頃には雨もあがって日差しも溢れました。
渓相は素晴らしいし、ゴールド免許に返り咲いたし(数年ぶりなのです)、気分良く遡行していきます。
「いかにも居るよね」という落ち込みに忍びの心で近づき、姿勢を低くしたままキャスト。ナチュラルドリフトで毛鉤を流します。うむ、食わぬか。静かに引いてもう一投。やや奥の白泡の途切れ、いい位置に毛鉤が落ちました。
着水と同時に水面がババッと波打って背びれが走る。稲光のように。びっくりしてドンと合わせたらヤマメが飛んできました。狙い通りだからといってフルパワーでアワセてはいけません。18cmのヤマメ。小さいけど嬉しい。
ここ最近は、狙い通り釣るという釣り方ができて満足感があります。向こうから釣れちゃった、てのとは達成感が違います。
開始30分で幸先の良いスタート。もう今日はなに投げても食うんじゃないかしらと鼻歌まじりに釣り上がります。櫓沢川は多少のゴーロもあって、ここで落ちたら捻挫じゃ済まないなんて落差もあるので、歩を慎重に進めます。
しかしその直後、最高の気分はどん底に。
不覚にもやってしまいました、唯一のテンカラロッドをポッキリと。木に引っかかった糸を無理に外そうとした愚行が招いた悲劇。
ボキッ!あー!オレの渓峰ー!!!素直にライン切れば良かった。オレのばかばかばか。
こういうときに限って、ルアータックルも持ってきていません。一尾釣ったあとだったのがせめてもの救いか。仕方なく渓を下り、哀しみのヌードルを鼻水と共にすすります。あとはもうすることもなく、ホコホコと日向ぼっこをして帰ったのです。
帰ってメーカーに問い合わせるも、生産終了品で補修パーツも出ず。穂先も以前修理しており、酷使されまくっているわたくしのテンカラロッド。
これを機に渓峰は引退させて、GROUND STOREの「TENKARA ROD CO.」に逃げるは恥だけど役に立てるべきか。しかし、この竿には思い入れもある。新しい竿を買うほどの余裕もない。考えた末、自分で修理してみることにしました。
ガイドや穂先の修理は調べると出てきます。しかし、振り出し竿のポッキリ補修なんて見つからない。やり方がわからない以上自己流でいくしかない。折れたのは穂先から2本目の、連結部付近。折れたものを繋ぐことは強度的にも厳しいので、竿を若干太らせて連結部を作ることにします。多少短くなるけど、他に方法は見つかりません。
どうやって太らせるか。寸としては1mmにも満たないわずかな値です。
まずポリエステルの糸を巻いて瞬間接着剤で固め、あとは継いで具合を見ながら紙やすりで削ります。細すぎると抜けちゃうし、太すぎると先端まで伸ばせません。理想としてはほんの気持ち、テーパーにしたいところ。
シコシコ削りながら、こんなもんかなという所で止めました。もう少し削りたいけれど、使っているうちに馴染むことも考えて。
ヒュッヒュッと振ってみましたけれど、特に違和感はありません。もっとも、微妙な違いなどわかる技量もありませんから、折れずに使えることを願うばかりなのです。










