GW関西ツーリング2019 〜2日目

朝6時起床。昨日の強風もおさまって、穏やかな晴天。

起きがけに朝風呂へ。
男湯の暖簾をくぐる。先客のスリッパが3つある。早いな。他にも宿泊客はいるはずなのに、またしても昨日のおっさんズ4人が風呂に集結する(笑)。朝風呂は正しいおっさんライダーの在り方である。

「おはよーございまーす!」
「あ、おはようございます。あれ?隼じゃない?」
「え?ああ、違いますよ。ハーレーです」
「ハーレー?ああそう。朝早く隼が出て行ったから、てっきり」

何台かのバイクが停まっていたので、会わなかったけど他にもライダーはいたのだろう。
朝食は7時から。風呂を出て朝飯に行く。お食事処が宿泊客の食堂でもある。席に着くと女将さんがお茶と味噌汁を出してくれる。

「向こうのお釜にご飯ありますからね」

テーブルの上には納豆、生卵、焼き鮭、しらす、海苔、漬物。これぞ正しきジャパニーズ朝食スタイル。米がすすむ。

「ごちそうさま。昨夜の食事もすごい旨かったですよ」
「うわー本当?嬉しいわあ、東京の人はほんと優しい」
「いやいや、お世辞抜きに。今度はカミさんと来ますね」
「是非ね。気をつけてね」

有名人と一緒の写真が壁にたくさん貼られている。名物女将なのかもしれないな。部屋に戻って荷造りし、会計を済ませ女将さんに挨拶する。古いけど落ち着く良宿でした。

バイクに行ってパッキング。

おっさんズも最後まで同タイミング。

「じゃあ、お気をつけて」と言って先に走り出す。9時スタート。
今日は渥美半島の突端、伊良湖から伊勢湾フェリーに乗り、鳥羽(三重県)まで一気にワープ。そのまま紀伊半島を南下し、本州最南端の串本でテントを張る。

 

記録を見たら、紀伊半島には2013年にソロツーリングしてて、串本で一緒になったライダーと見た夕陽が印象的だった。

彼も若くして海千山千の旅人だったな。久しぶりにまたあの場所へ行こう。

 

天気も良い。30分も走れば船の人。ヨユーヨユー。鼻歌交じりにフェリー乗り場を目指す。港が近づくにつれ、わちゃくちゃとバイクが集まり出す。皆考えることは一緒である。ちょっと嫌な予感。ちなみにフェリーの予約はできない。先着順にピストン輸送される。

9時30分乗り場着。えーっと、どっから湧いて出てきたんでしょうこの台数。ゴールデンウィークを甘く見てたな。

係のおっちゃんが近づいてきて渋い顔をする。おお、まじか。

「このあとねえ、乗れるの12時40分」
「うわー、ホントっすか?」
「12時40分発で、鳥羽に着くのが13時40分」
「えーと・・・4時間後か・・・」
「走っても変わらない、5時間で行くよ」

このまま3時間ここで待つほど呑気ではない。走るしかない。朝飯お代わりしてる場合じゃなかった(笑)。

9時30分の出航便を見送って、やれやれとバイクに戻る。まあこれも旅だ。
道がわからない(ナビ未装着)ので調べる。三河湾、伊勢湾を大きく回り込まなきゃならない。

音羽蒲郡からまた東名に乗って、豊田JCTで伊勢湾岸自動車道。四日市を経由して東名阪自動車道へ。伊勢自動車道につないで勢和多岐JCTで紀勢自動車道。終点の尾鷲南ICまで走り続ける。そこから一般道を串本まで。壮大だなあ(笑)。

土地勘ないし全然覚えられないので紙に書いてタンクに貼る。いつものアナログスタイル。誰もがナビ見て走ってるこのご時世に、まったく何してんだか。でも頭に入るし良いんですよ、と言い訳しとく。この旅では3回くらいこれ貼った。

よし、じゃあ元気出して行くぞー!

音羽蒲郡に行くつもりがのっけから間違えて(笑)また豊川ICで乗る。これだからアナログは。
ひったすら走る。結構ガンガン走る。

昼飯はどっかのPAでウナ巻き。

高速道路を全部走りきって、尾鷲南ICで降りて15時過ぎ。こ、これは。
このあと最南端の串本まで行けばきっと日が暮れるだろう。まして人気の潮岬キャンプ場が空いているとは考えにくい。もちろん予約などしていない。最悪テントを張れないことも考えられる。しばし考えて串本は無理だと悟る。

コンビニで休憩しつつ、キャンプ場口コミサイト「HATINOSU(はちのす)」を検索。急なキャンプ場探しに役立つサイトである。こういうサービスがあるから、結構行き当たりばったりでも何とかなる。便利な世の中だなあ。

 

いくつかのキャンプ場を検索して、「下北山スポーツ公園キャンプ場(奈良)」がライダーにもまあまあ評判なので電話する。めちゃ優しい対応。結構いっぱいだけど、1泊なら何とか入れるでしょうとありがたい返事。フリーサイトで870円だと言うので決める。

場所はかなり山の中である。これは街があるうちに済ませておくべきだなと買い出しして、ガソリン入れる。準備万端。

「R425には入らないで」と言われたので(たぶん荒れてるんだろう)、ちょっと回り道だけどR42-R309-R169の峠を駆け上がって行く。

 

17時、下北山スポーツ公園キャンプ場着。

受付して薪も買い、家族連れで賑わったサイトをひと通りみて、ソロっぽいテントの隣にスペースを見つけて荷物を下ろす。ちょうどそこに一台のハーレーが帰ってきて、お隣さんだとわかる。

「ここ、良いですか?」
「どうぞどうぞ」

お隣さんもMSRエリクサー2である。モンベルのミニタープHXを小川張り。テントはあまり被らないのでお互いちょっと意識する(笑)。

張ったら風呂へ。「天然温泉 きなりの湯」が徒歩5分のところにある。キャンプ場利用者は500円。

ひとっ風呂浴びたら1人宴会開始。本日の地酒は三重の「義左衛門 純米吟醸」。

まずはビールを開けて、遊び半分にフェザースティックを何本か削る。下手くそだな。

日が沈み始めて薪に火をつける。肉を焼いてビールを飲む。うんま。おでんを火にかけて日本酒のアテに。とっぷりと日が暮れて、ちょっと良い音楽なんかも聞きたくなる。周りはファミリーキャンプが多いので、少しばかり音を出しても問題なかろう。

「どちらからです?」

お隣さんがトイレの帰りに声をかけてくれる。

「東京です。ここはちょっと、予定外だったんですけど」
「私は広島。オーティスですかあ、ひさしぶりに聞いたなあ」
「三重の地酒があるんですけど。良かったらどおです、一緒に?」

それからお隣さんは椅子と鹿児島の芋焼酎を持ってきて、やいのやいの2人宴会開始。
広島のハーレー乗りは、僕のちょうどひと回り上の子年。鼠先輩とお呼びしよう。50歳を過ぎてからバイクの免許を取り、2年前にこのソフテイルスリムを買った。こういう行動派の人は往々にして山登りをしている(笑)。奥様はダンスの先生で、オートバイでのひとり旅にもまあ理解があるらしい。明日以降は天気が崩れるので、ここで何泊かする予定だという。

「オーティスレディングなんて懐かしい。最近気に入ってるのがありましてね」
「ほおほお」
「ロバートグラスパーってのがいてですね、これを聞きにブルーノートに行きましたよ」
「おお、東京に?」
「なかなかカッコいいでしょう?」

そう言ってyoutubeをかける。
日本酒が空いて、芋焼酎をストレートであおる。心地いい音楽と酔いも手伝って、だんだん声のトーンも上がってくる。音楽に耳を傾けながらめちゃくちゃ喋って、また芋焼酎を飲む。

「ちょっと!もう11時なんですけど!」

いい大人が怒られて23時就寝。ヤベーヤベーごめんなさい。

 

旅館玉川(愛知県田原市)〜下北山スポーツ公園キャンプ場(奈良県吉野郡) 走行距離:364km

 

 

 

 

 

1件のコメント

  1. ダムの真下にキャンプ場があるんですね!進撃の巨人に出てきそうな風景ですね^^やっぱりキャンプいいですね。羨ましい!夏の北海道ではいっぱいキャンプしてきます^^

    • nmindさん

      コメントありがとうございます。そうなんですよ。ちょっと要塞チックで不思議な光景でした。確かに進撃の巨人ですね。キャンプでおでんはnmindさんと行ってからハマってしまい、この旅でも2度食ってます(笑)。

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