北海道ツーリング2019 4日目:道道87号線、知床五胡、サロマ湖 船長の家

9月18日(水) くもり(夕方から突風)

4日目の朝。

午前2時に目が覚めて二度寝。4時30分起床。すぐ散歩に。老人か。
ちょっとテントから離れると、キツネかカラスが荒らしにくるのでいちいち荷物をテントの中に。今日のメインは知床五湖。その前に、山になった洗濯物とカメラの電池切れ問題を解決しなければ。

トイレに貼ってあった周辺の地図をなにげなく見ると、まさかの”コインランドリー”の文字。この小さな街にあるの?そこにコンセントもあれば一石二鳥じゃないか。

昨夜の残り物で朝食を簡単に済ませて、食後のコーヒーを淹れる。ここは手を抜きたくないところ。ひと息ついたらパッキングして、4A札返して(実はまた忘れそうに)出発。天気は曇り。

まずは少し南下して、富士見町という小さな街へ。小さな街の小さなコインランドリーは本当にあって、しかも早朝から営業してた。

隣の理髪店がやっているらしく、両替して洗剤を買う。

結局、小一時間かけて洗濯と乾燥。
若干乾ききれてなかったけれど、もう待てないので出発する。カメラの電池もフル充電で懸念事項が一挙解決。

 

そのまま知床横断道路を渡ろうかと思ったが、洗濯中ふと地図を見れば羅臼側ももっと先まで行けたよね、ってことで道道87号線を突端に向かって行けるとこまで行く。行き着く先には相泊温泉があるだろう。

片道20kmほどを海沿いにくねくね行く。羅臼の昆布漁が盛ん。こういった最果ての地で暮らしている人がいるんだもんな。それはどんな暮らしなのか、身勝手に想いを馳せる。

まずは手前に瀬石温泉が現れる。

道路から降りてみると温泉などどこにもない。建屋には鍵がかかっているし、もう無くなったのだろうか。ウロウロ探して諦めて、道路に登りかけて下を見ると、あれか!

海に突き出した湯船が。カモメ番頭も。

うわー、これはなかなかの上級者向けだ。丸見えなので入るのに結構勇気いります。でも眺めの良さは言うに及ばず。

プクプクと湧いているのがわかる。お湯の温度はややぬるめ、多少海水も入り込むのかもしれない。ここで入る時間はちょっとないので手だけ温まって次へ。

すぐ先に相泊温泉。

こちらは道路の上から覗き込むとそれらしき湯船が。降りてみる。

おお!これは温泉欲が湧くなんとも魅力的な佇まい。ツラ構えがいいじゃないか。

相泊温泉には簡素な建屋があったように思うが、周囲を囲うものは何もなかった。取り壊されたのかしら。こちらも丸出しだ。

道路からはテトラが若干オーバーハングしてるので多少は見えにくい。見る気になれば見えるがあまり人いないし、そもそもおっさんの入浴シーンなど誰も見たくないので、余計な心配はご無用である。ザブッと飛び込みたいのは山々だけどまだ先は長い。湯に手を浸ける。やや熱め。良い湯加減だ。名残惜しくも雰囲気だけ味わって先に進む。

更に先へ行くと唐突に行き止まりに。車両で入っていけるのはここまで。特に感慨深いオブジェなどはない。この素っ気なさも北の大地っぽくて良い。強いて言えば地味な看板がひとつ。

さて、ようやく引き返してウトロ側へ。こっからが本番だぜ。

知床峠はあいにくの曇り空。時折雨も落ちてきて寒い寒い。

羅臼岳は残念ながら雲のベールに。わりと知床峠は快晴の時ばかりだったので、これはこれで神秘的とも言える。でも寒いんでとっとと次に進む。

知床五湖の看板を右折。今日のメインイベント、五胡を歩く。

知床五湖フィールドハウスで申込みと10分程度のレクチャーを受ける。
主にヒグマへの対処法。対処も何も襲われたらほぼなす術はないのだが、ヒグマの住まいにこちらからお邪魔する形なので自己責任よと。無駄に恐怖を煽るぜ。

時期によってガイド引率の「ヒグマ活動期」と、レクチャーを受けて個人で行く「植生保護期」と、手続き不要で自由に動ける「自由利用期」とあるらしく、今は植生保護期なのでレクチャー受けたら個人で行ってね、という時期だった。

え、一人で行くの?なんかガイドしてくれんのかと。まぁ仕方ない、行くかブルブル。

実際は何人かとまとまったり離れたりしながらも、必要以上に不安になることもなく、たまに手叩いて人の存在を知らせたりしながら進んで行った。熊鈴持ってきたのにカバンの奥底に忘れる。

五胡から回って一湖まで、およそ90分ほど。
知床の貴重な自然を肌で感じることができる。幸いというか残念というか、ヒグマの姿を見ることはなく、鹿の親子には会いました。

 

さて、メインは終了。

今日わりとのんびりしてるのは、宿を予約してるから。旅程の中日でリフレッシュも兼ねて、一泊宿を挟む。テント設営しないって楽だね。
お世話になるのはかの有名な、サロマ湖「船長の家」。ずっと前からその噂は知ってたけど泊まるのは初めて。いよいよその蟹三昧という食事でも味わってみるかと。

知床を出て斜里へ。天に続く道。

ウナベツ温泉を越えた先にある、名もなき展望台という直線道路を経由して、サロマ湖を目指す。陽が傾くにつれ突風とも言える強風が吹き初めて、それは北風のように冷たく芯まで冷え切ってしまう。インナーグローブを持ってきたつもりが忘れたようで、指先も痛くなる。

17時過ぎに宿到着。冷えた冷えた。

チェックインしてすぐに風呂。18時45分から夕食なので丁度良い感じ。すっかり温まって食堂へ行く。名札の席に着く。こ、これか。噂の夕食は・・・。

「えーと、わたくし一人なんですけど」
「はい、お一人様分です♪」

えー、やっぱり?凄い量です。
ざっと数えたら20皿はあります。蟹はズワイガニ一杯、毛ガニ半身、タラバガニ半身、カニしゃぶ、刺身、他書ききれんほどの海鮮祭。

よし、いくか。生ビール頼んでいざ、食いまくる。このために今日はほとんど食べ物を口にしなかった。

あっちこっちでジジババの悲鳴やら歓声やらが湧き上がる。意に介さず食べ続ける。

カニしゃぶうめー!これはもうエンターテイメントや!北にある夢の国や!

生ビールに次いで日本酒へシフト。もう片っ端から片付けていく。くっ、蟹へ届かないのかっ!

よし、そろそろ蟹いくかと思った時、

「タラバの爪のボイルでーす」とアルバイトのお姉ちゃんが持ってくる。
「えー!まだ来るの!?」
「はい、えーっと、あと3品ですかね♪」

死ぬ。

周りのジジババは早い段階で白旗宣言して、蟹に手を付けず持ち帰りに。蟹だけは冷凍して持って帰ることができる。発送もしてくれるけど道内だけ?

よくわからないけど、後半はもう見たくなくなってくるので、送ろうという気持ちがわかない(笑)。食べ物残すなと教えられてきた世代なのでいろいろ辛い。

どうにか一杯分は平らげて、ズワイガニは足二本味わってダウン!喉元まで海鮮が。

残ったズワイが一番美味かったという悲しい結末。

イクラ丼や茶碗蒸しなどは開けて見ただけで、手つけられず。
すごく楽しいし幸せだし、喜ばせてくれる食事なんだけど、なんだか後ろめたさが拭えない。フードロスが叫ばれる昨今においてこの飽食っぷり。完食できる人などほとんどいないのではないか。隣に若者ソロライダーが2人いて、かなり善戦してたけど完食には至らず。

うーん、つまんないことで水差すのもアレだな。美味しかったです!大満足!ご馳走さまでした!

腹抱えながら部屋に戻り、1mmも動けないまま寝落ち。

 

 

羅臼温泉野営場〜サロマ湖 船長の家 237km

・船長の家:9,720円

 

 

 

 

1件のコメント

  1. 相泊温泉に自分が行ったときは仮設のブルーシートの囲いがあって男女で分かれてましたが、キレイになくなってますね!秘境感というか景色としてはないほうが全然いいですね。あ、今自分のブログの記事を読み返したらあのブルーシートに文句言ってました…もしかするとそれがなくなったのは自分のせい?!

    知床五湖、植生保護期だとレクチャーを受けて一人で行けるんですね。それは知りませんでした。ガイドさんと一緒に行くと値段は少し張りますが、色々面白い話や北海道、知床のうんちくを聞けて楽しかったです。

    船長の家!噂では聞きましたが、こう見ると半端ないですね!これはフードファイターレベルですな。でも楽しそうで何よりです^^

    野付半島まで下ってまた北上して知床からサロマ湖、次の日はどのルートに行くのかが気になります。

    • nmindさま

      そうなんですよね。相泊温泉、何も囲いが無かったんです。不満の声が届いたのかもね?(笑)。ビジュアルはすごく良かったですよ。確かに結構熱いですねあれは。
      船長の家はですねえ、楽しいし、それにちゃんと美味しいんですよ。ただねえ、残しちゃうんでちょっと後味が悪いかなあ。こうなると朝飯にも怯えるわけです。どうなることやら。

      いつもコメントありがとうございます!

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