北海道ツーリング2019 5日目:旭川紋別自動車道、富良野、かなやま湖畔キャンプ場

9月19日(木) 晴れのち豪雨

5日目の朝。

4時起床。もうすっかり早起きパターンに。
昨夜あれだけ食べたのに、朝はしっかり腹が減る不思議。どこに行ったんだあの蟹たちは。朝風呂入ってから食堂へ。昨夜のような量だったらどうしようとビビりながらテーブルに着く。

まぁ、やっぱり多いけど、なんとかいけるか。ご飯をよそっていると味噌汁が運ばれてくる。海苔の味噌汁。しみじみとうまい。

焼き魚は頭と尻尾を落としてある秋刀魚の干物。頭と尻尾がないと一見なんの魚かわからない。なぜ頭と尻尾を落とすのかもわからないのだが、今季秋刀魚は貴重品なので、ありがたくいただく。

もはや刺身はデフォルトで。

おかずが多いのでご飯もお代わり。なんとか完食。くるしい。ご馳走さまでした。

 

船長の家は市場もやっているし、夜のゲームなんかもあって、客を楽しませようという姿勢が見える。最大のウリはなんといっても食事。あのボリューム感もただただ「客に幸せな驚きを与えたい」という気持ちの表れだと思う。

でもそれ以外のアメニティーは、最低限のシンプルさだった。部屋や風呂にもドライヤーすらないし、布団も煎餅布団だったから二枚重ねた。明確なコンセプトのもと、食に振り切った宿であり、最近やむなく値上げしたけれど、この金額で提供してる努力はすごいと思う。
もう一度泊まるかと問われると少し考えちゃうけれど、それは単に、宿のコンセプトとの相性という問題。

8時半、荷物をまとめてチェックアウト。

「お世話になりました」
「ありがとうございました。風が強いのでバイク気をつけて下さいね」

今日も風強いのか。

扉を開けると確かにビュービューと突風が。なかなかの寒さ。でも抜けるような青空。今日の予報は晴れ。さあ、たくさん着込んでいるし雨の心配もないし、今日は美瑛や富良野の丘巡りと行くか。5年ぶりにファーム富田にも寄って奥様の土産を買おう。と、この時は暢気に構えていたのだが、北の大地にしっかりと試される1日になる。この日を境に北海道は、季節を冬にシフトし始めたのだと思う。

今回の北海道でどうしても見たかった風景が、トマムの雲海である。
星野リゾートトマムの、標高1,088mの上空にある「雲海テラス」へ行って、雲海とその先に昇る朝日を拝みたかった。

リゾートセンターから出る雲海ゴンドラは、午前4時30分に出発するのでそれより前に着かないといけない。なので、星野リゾートに一番近いキャンプ場、「かなやま湖畔キャンプ場」を今日の野営地とする。(一度星野リゾートトマムにも泊まりたいもんだね)

ナビをセットしてスタート。まずは旭川紋別自動車道(無料区間)に乗る。
走り出してしばらくすると、天気が怪しくなってきてついに雨が降り始める。晴れるんじゃないの?やみそうにないのでセイコーマートにとまって合羽。ブーツカバーは横着して付けず。

居合わせた他のライダーと「全然あてにならないっすね」なんて苦笑いしながら改めて予報を見ると、全域に渡って雨。かろうじて日高や襟裳はマシ。美瑛や富良野は100%雨。

「あ、雨に変わってるわ」
「ほんとだ」
「今日はどこまで?」
「富良野で張ろうかなと」

富良野か。
日の出公園か、星に手が届くキャンプ場か。いずれにせよ、予報はあまり良くない。いや、もはや予報などあてにならん。お互いの幸運を祈って別れる。

朝の空が嘘みたいなどんより雲。

旭川紋別自動車道に乗って標高が上がるとあまりに寒すぎて、「道の駅しらたき」に避難する。電光掲示板の表示は1℃。真冬並みじゃないか。みぞれ混じりの雨も強くなってきて、ありったけの服を着込む。利尻山ではこの日(正確には翌20日)、平年より23日も早い初冠雪が観測されたらしい。寒いはずだ。

道の駅で偶然にも精油を見つける。ラベンダーオイルとホホバオイルを奥様への土産として買う。ファーム富田で買うつもりだったけどちょうど良い。買える時に買う、食える時に食う。

震えながら愛別ICで降りて、旭川方面へ向かった時は雨脚もかなり強まっていた。この雨の中キャンプするかを考える。旭川か・・・あ、旭川には確か「たるハウス」があるなと思いつく。緊急時の避難場所はいくつか頭に入っている。

 

でもここに泊まるということは、トマムの雲海を早々に諦めるということでもある。まだ時間は早い。うん、行けるとこまで行こう。その先はまた考えよう。

そう決めて予定通り、美瑛へくだる。
南下するにつれ、バケツひっくり返したような土砂降りに。もちろん丘巡りどころではない。ただひたすらに耐えて、雨雲から遠ざかることだけを願い走り続ける。だからほとんど写真がない。

上富良野まで行っても雨脚は弱まらず、富良野を過ぎてからようやく少しおさまってくる。

降ったりやんだりしながらも、雲の切れ間から青空も覗くようになって、もうここまで来たら予定通り「かなやま湖畔キャンプ場」に泊まろうと腹くくる。せめてテント張る時は、雨やんでて欲しいと願いながら。

どうにか雨のないうちに設営して、買い出しに走る。

明日の雲海はどうだろうか。朝まで降ってたら難しいだろうな。

キャンプ場からほど近い「かなやま湖保養センター」の日帰り温泉に行って温まる。おばちゃんに冷え切った手でお金渡したら「つめたっ!」と驚かれる(笑)。風呂は貸切状態で、気持ち良すぎてスイミング。芯まで温まる。

相変わらずザーッと降ったりやんだり。テントで軽く宴会して早々に寝る。

 

 船長の家〜かなやま湖畔キャンプ場 298.5km

・かなやま湖畔キャンプ場:610円
・かなやま湖保養センター 日帰り温泉:410円

 

 

 

 

1件のコメント

  1. ひえー、9月に1℃は厳しすぎますね!やっぱり試される大地!雨だけでもしんどいのに気温まで低かったら確実に心折れますね。だからこそ雨が止んで青空が見えてきたときの喜びは特別なものになりますよね。でもその中でキャンプに臨むその姿勢!シビレますね。

    • nmindさま

      いやなんかもうずぶ濡れになってて、考えるのもめんどくさく「もうキャンプでいいか」という状態でした(笑)。インナーより先にアウター(フライ)から張るとかやったことなかったので、せめて設営時は降らないで〜と願ったのが良かったか。うまくやんだ時に張れました。いろいろありますね(笑)。コメントありがとうございます。

  2. 試される度がハンパないですね・・・^^;
    ここまで耐えたんだから雲海は見せてほしいところですねぇ。
    次回期待してます^^

    • Natsuさま

      わずかな希望を持ってキャンプ場まで走ったんですけどね。人間本位にはいきませんよねえ。晴れたと思ったらザッと降ったり、コロコロ変わる天候でした今年は。旅もぼちぼち終盤、もう少しだけ続きます。コメントありがとうございます!

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