北海道ツーリング2019 最終日(7~8日目):支笏湖、ニセコパノラマライン、小樽港〜新潟港、帰宅

各地で甚大な被害をもたらした台風19号
被害にあわれた皆さまに、お悔やみとお見舞い申し上げます。
一日も早い復興を祈念します。

9月21日(土) 快晴
9月22日(日) くもり

7〜8日目、最終日。

朝6時、ベッドで目が覚めてカーテンを開ける。快晴。帰る日は決まって晴れる不思議。朝風呂入って荷物をまとめる。コーヒーだけ飲んで、8時チェックアウト。

今日は17時発のフェリーに乗り遅れないように、半日あまりの道南巡り。小樽港15時30分到着を目処に、時間の許す限り見て回る。

「もう満足」とか言いながら、やっぱり終わりだと思うといろいろやり残してるような気分になる。

まずは支笏湖に向かって出発。
山道に入ると身体に当たる風はかなり冷たくて、途中止まってインナーダウンを着る。

支笏湖畔にある美笛キャンプ場は、友人がオススメする眺望豊かな場所らしいのだが、今回もタイミングが合わず泊まることはできなかった。その景色だけでも見ておこうと。

ポロピナイ展望台を過ぎると横目に湖が見えてくる。支笏湖温泉の標識を左に折れて、ポロピナイ園地に下りる。

これが支笏湖か。

美しいねえ。

ん?

・・・・。

さ、寒くない?いぬ・・・。

 

 

去る。

 

湖畔沿いを回る。いやっふー。

だいぶ冷えたところで「きのこ王国」の看板を見つけ突入。

年間60万杯売れるというきのこ汁。サイコー。

汁100円。ストイックにこれだけ。めちゃ美味いし温まる。

よーし元気出た。次へ。

羊蹄山を拝み

最後の昼食を何にしようか考えて、倶知安町の「ファームレストラン じゃが太」を見つけた時は小躍りした。じゃがいも、北海道を締めくくるにいかにもふさわしい食事じゃないか。じゃが太ってそのままだし。

ログハウス調のお店に着く。いい感じ。バイクも数台停まってる。

意気揚々と入店!と入口の扉を見たら

がーん、満席。待ち時間、60分・・・。

1時間は待てないなあ。ダメ元で聞いてみるか。とりあえず少し写真撮らせてもらおう。
その時後ろにスポーツカーが停まり、肩にカーディガンをかけた小太りのおじさんが、80年代ディスコから抜け出してきたようなオネエちゃんを連れて登場する。扉の張り紙を見てオネエちゃんが嘆く。

「えー、60分待ちだって。ダメじゃん」
車に戻ろうとする。

そうなんだ。僕も残念に思ったところだ。

「ちょっと、聞いてみるか」
と言った小太りは、素早い動きをもって僕の横をすり抜けて扉を開く。そう、先に行かなかった僕が悪い。それは痛いほどわかっている。写真撮ってた自分が今でも悔やまれる。

 

気弱そうな店主が困り切った表情で出てくる。忙しそうだ。

小太りが聞く。
「60分?くらい待つ?」
「お、お二人ですか、カウンターでも良ければ」
「みっちゃーん!オッケーオッケー!」

「え?」

慌てて僕も聞く。

「あ、あの、一人なんですけど」
「え、すみません。満席でして・・・」

 

オッケーじゃねぇよ!
みっちゃんじゃねぇよ!!(泣)

 

いや、小太りは悪くない。僕の判断ミスだ。トボトボと店の前の美しい池を眺める。

あれ、涙で霞んでよく見えないや。

 

去る。

 

ニセコパノラマラインへ。

なんだかものすごく悔しい。コロッケが恋しい。
どんな街に住もうとも、その街に美味いコロッケさえあれば大抵のことはどうにかなるんじゃないかと思う。

雲海が見られなかったことより悔しい。

みっちゃんがリフレインする。

ダメだ。腹が減った。
神仙沼レストハウスにイン。

もちろんコロッケはないのだが、じゃが太入りのカレーでどうにか納得させる。

これはこれで美味い。

ニセコパノラマラインも終わり。さあ、ぼちぼち帰るか。

余市を過ぎたあたりにコイン洗車を見つけ、反射的に飛び込む。

しっかり洗うわけではないから気休めにしかならないが、風雨に晒され続けた相棒の汚れを落とす。高圧洗浄して拭き取りもせずに出発(荷物も積んだまま。手抜きも甚だしい)。走行風で乾いたが、汚れはほとんど落ちてなかった。

 

15時過ぎ、小樽港着。

ちょうどオートバイの乗船が始まったタイミングで、そのままスロープを上って船内へ。ああ、終わってしまったな。あの日に帰りたい。じゃが太に帰りたい(しつこい)。

翌朝、初めて船内の朝食を食べる。

定刻通り新潟港着。
北海道の寒さが嘘のような蒸し暑さに喘ぐ。夕方以降はひと雨きそうなので、一路東京に向かって走った。日常へと続く道、関越自動車道。

15時、無事帰宅。

明日からまた日常が始まる。
日常ってやつは頑固で、融通がきかないんだからね。けれども僕は日常を必要とし日常があることに安堵し、僕自身が日常そのものなのである。北海道の風景を時折思い出しながら、僕はまた日常に戻る。

 

 

札幌国際ユースホステル〜小樽港 260km
新潟港〜自宅(東京) 360km

総走行距離:2,776km(メーター読み)

 

 

 

 

 

 

1件のコメント

  1. じゃが太、残念でしたねぇ。
    ツレの80年代ディスコから抜け出た女性・・平野ノラみたいのでしょうか(笑)

    この、店主に聞いてみたら・・的な事、僕もよくあるんです。
    なんともいえない悔しさが残りますね。

    30代の最後の記念に九州をまわったので、来年は40代最後の年。
    初北海道ツーを計画しようと思ってるので、その際には色々とご指導くださいませ♪

    • okuちゃん

      コメントありがとうございます。台風、大丈夫でしたか?
      食べ物の恨みは恐ろしいというかなんというか。自分でも不思議なくらい尾を引きましたね。「食べ物で意地悪しちゃダメ!」って子供の頃誰かに言われたのはこれだったかと、40も大きく超えて経験するとは思いませんでした。くっそー!(笑)。

      ぜひ40代の記念に?北海道行ってみてください。つか、何歳でも、タイミングが合った時に飛び出しちゃいましょうよ(笑)。

  2. 笑いあり、涙あり、小太りあり、ビンゴなし。
    楽しませて頂きました。
    「日常」があってこその「北海道」ですもんね。私も、余暇を最大限楽しむために、日常を最大限頑張ります。

    • スラトン2号さま

      どもども。
      長々駄文のお付き合いありがとうございました(笑)。ビンゴなしでした〜。小太りありでした〜。
      先日の台風でイベント予定がいろいろと変更になってしまいました。あ、先日お話ししたネオパーサは11/17(日)に改めてやるようです。僕もちょっと顔出しますたぶん。もしよろしければということで。コメントありがとうございます。

  3. いや、お疲れさまでした!novotelさんの2019北海道ツーリング連載が終わってしまって寂しい限りです。novotelさんの旅やその写真と文章、とても素敵で楽しませていただきました。

    台風過ぎてから急に寒くなりましたね。体調管理にはお気をつけてください。

    • nmindさま

      ありがとうございます。
      オススメの場所、どこも素敵でしたよ。やっぱり北海道はでかいですね。ていうか日本は広いですね。飛行機だとあっつーまですけど。これからもいろんな場所へ、「走って飲んで食って寝る」したいもんです。それも身体あってのこと、お互い体調には気をつけましょうね。

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