古民家再生は旧車レストアに似ている

といっても、本格的なレストアをした経験はないのだが。
好奇心だけで古い車をいじり壊したりしてたのがせいぜいである。でもそういうことが好きだったんだ。古いものが好きだったし、長い時間をかけて刻まれるそれらの表情が好きだった。

僕と奥様は、1956年式の古民家を手に入れて、コツコツと手を入れ始めている。ハーレーでいえばパンヘッドの時代だな。アンディ・ガルシアが生まれた年だから、もちろん僕は生まれちゃいない。5〜6年は人が住んでなくて空き家状態だったから、結構ホコリも被っているけれど、初めて中を見たときは「これは出会ちゃったかも」と二人とも直感した。
ミントコンディションは言い過ぎとしても、ジメッとした所が全然なくて、春風のように爽やかな古民家だった。あと、造りが面白かったんだよね、忍者屋敷みたいで。

散々いろんな物件を見てきたんだけど、決まる時は呆気ないもんです。
整備の基本はまず洗車からというように、僕たちはとりあえず掃除から始めている。年式なりのボロはあちこちに見てとれるけど、いちいち使われてる材が良くて感心する。

柱や梁は太くて立派な材が使われているし、扉の一枚一枚が違った表情の昭和ガラスは、今のものでは味わえない趣がある。縁側に座って、七輪で秋刀魚を焼くのが楽しみなのである。

引き戸の鍵は真鍮の捻締り錠で、これがなかなかに興味深い。
左右の戸が重なったところに錠が貫通して、ネジで締め込むと戸が開かなくなる。当然といえば当然。でもタップを切って締め込むというところがミソで、両扉がネジでクッと締まることで隙間風を防いだり、ガタガタと揺れない構造になっていると思う。知ったように書いてはいるが、全部僕の想像なんだよ。そもそもそこらじゅう隙間だらけだしね。

とにかく、この錠ひとつとってもあらゆる想像が広がって、僕の鈍化した脳に刺激を与えるのである。

この家をある程度オリジナルを保ちながら少し現代風にして、使いやすくかっこ良くカスタムするのが目下僕の楽しみである。店舗を別に契約したから、どうしたってそっちが優先なのだが、本音をいえばこの住まいの方をイジイジしたい。

 

 

 

 

 

1件のコメント

  1. お!すごく素敵な家と出会いましたね。写真だけでもその良さが伝わってきます。またすごく丁寧な方が住んでらっしゃったようですね。

    実は最近Youtubeで古民家のリノベーション関連動画を見るのが静かなマイブームで、novotelさんのリノベーション?レストア動画?が見れる日を楽しみにしてます^^

    • nmindさま

      どもです。
      以前は6〜7人くらいの大家族が住んでたと聞きました。たぶんサザエさんみたいな一家だったんじゃないかと勝手に想像しています(笑)。
      動画ね。どこかにUPするとかじゃなくとも、なんか記録したいなとは思ってるんですけどどうかな。たぶん終わりなき長いリノベになると思います。ゆっくり楽しみます。

      コメントありがとうございまーす。

  2. すごーい。
    素敵な家。
    出会いあって良かった。
    バイクと同じ、電気の配線は新しくしたいですねぇ。
    埃被っているなら尚のこと。
    時間が足らなくなること請け合いですね。

    • 上山さま

      こんばんは。
      バイクも家も出会いなんでしょうね。それまでグダグダ決まらなかったんですが、ここ見てわりとサクッと決めてしまいました。ホント、全然時間が足らなくてしばらく何もできそうにありません(笑)。寝るだけ。

      電気の配線は何やら、見たこともない器具と線が家の中を這っております。怖いので当面そのままです。
      コメントありがとうございます!

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