天気の良い週末、今年初のキャンプツーリングに出かけた。ワイドグライドは入院中なのでWRに荷物をくくりつけて、山梨県の道志の森キャンプ場へ。道志みちは何度も走っているが、キャンプするのは初めて。今回のパッキングはすっかり定着した自作アルミケースに、Karrimorの30Lザックを背負わせてみたのだが、これがなんとも具合が良い。バンドで縛るようなことは一切せずに、ショルダーベルトだけでがっちり固定できる。すなわち荷解きも簡単。重心がどうしても高くなるが、これに振り分けバッグでも加えれば、数週間の旅だってできる。

中央道に乗って都留ICで下り、県道24号から道志みちへ。道の駅どうしで小休止。小腹を満たしてから道志の森キャンプ場へ。11時着。

この時期の道志の森は水道が全て止められており、食器洗いはおろか顔洗うのも歯磨きさえも難しい。トイレはボックスの簡易型。ファミリー向けキャンプ場というイメージがあるが、オフシーズンは途端に野営力が試される。でも僕はあえてその時期に行きたかった。シーズンに入ると難民キャンプなんて揶揄されるほどの人気なので、その前に味わっておきたかったのだ。

まだ本格稼働ではないといえ、暖かな日差しもあってそれなりの人出。ライダーもちらほら。まったく閑散としてるのもそれはそれで味気ないし、適度な距離感で張れるので程良い感じ。かなり広いキャンプ場らしいので、まずは場所探しに最奥まで突入する。

こんな所はやはりオフ車が良い。ロードバイクで奥まで入り込むには道が悪く、比較的下の方に張っていたライダーが多かった。場所はいくらでもあって困らない。橋を渡りやや上方の川沿いに設営。素晴らしきプライベート空間。

めぼしい商店がないというのが難点といえば難点。前もって買ってくるか持参すれば良いのだが。設営を終えて荷物を全部おろして、山中湖まで買い出し。スーパーで酒とツマミと明日の朝飯を調達する。調子に乗って少し買いすぎてしまった。

「道志の湯」に寄ろうと地図を見るが、思ったより距離があるのでやめた。のんびりしに来たのだ、早いうちから火を起こそう。

天然の冷蔵庫でビールを冷やしながら薪割り。着火剤代わりに松の枯れ葉も集める。これがよく燃える。

道志の森は直火OKな貴重なキャンプ場。石で組んだかまど。焚き火台なんかより余程雰囲気はある。まずはビールを開けて買ってきたコロッケをつまみつつ、薪に火をつける。

なかなか火が安定しないから、大事に育てる。このうまくいかない感じもまた楽しい。ふーふーと息を吹きかけたり扇いだりしながら、薪が炭になってやがて凝縮した熱を帯びる頃には、辺りも薄暗くなっていく。

パーコレーターにiPhoneを突っ込んで、スピーカー代わりに。歌声が川の音と相まって心地良い。

今夜の酒は芋焼酎「赤霧島」。スーパーで見つけて即買い。赤はあまり売ってないと思うのだが、すごく美味しい。これに合わせるメインは豚ロースの塩ハーブ。野菜も適当に焼いて、締めは焼きおにぎり。デザートは完熟のいちご。酒がすすむすすむ。夜はだいぶ冷えてきて、お湯割りにしたくなるのも予想通り。

なんとも贅沢な時間だったのだが、唯一花粉症で鼻と目が大変なことに。この日は飛散量も多かったらしく、鼻が詰まるは垂れるわくしゃみ止まらんわで、何だかぼーっとしてしまった。寝不足だったので即寝落ちしたが、鼻が詰まって夜中寝苦しかった。起きなかったけど。

 

翌朝。

5時半に目が覚めて二度寝。起きたら8時半。二度寝で3時間ってなかなかのもんだと思う。相変わらず鼻は辛かったけど、川で顔洗って湯を沸かす。なかなか沸かないなと思っていたら、ガスが切れていた。仕方なくぬるいコーヒーを飲みパンをかじる。今日も良い朝だ。

そのまま一時間半ほど読書。時折目を離して川を見たり、考えごとしたり、文字を読んだり、なにも考えなかったり、カエルが通り過ぎたり。良い時間。
ぬるいコーヒーを飲み干してから昼近くに撤収。

帰りは富士山まで足を伸ばして、自衛隊の「北富士演習場」へ寄り道。この日が立入日だということは知っていたので。

噂に違わぬ大荒地。内部に入り込むと確実に迷子になりそうで、フラットダートの外周路だけお邪魔した。「モトクロス禁止」と書いてあるのでたぶん駄目なんだろうけど、何とも貴重な体験。規模は違えどダカール・ラリーとか、ああいうとこぶっ飛ばすわけだ。なんか、スケールでかい。