DT125 ~カンチレバー

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DT125を試乗した。

炎天下。あたり一面田んぼが広がる埼玉県のあぜ道で、渋くカサついたDTのアクセルを力一杯開けた。けたたましいサウンドともうもうと上がる白煙。パワーバンドに入るとタコメーターの針がレッド手前まで跳ね上がり、狂った子供のような加速をした。すぐに振り切れてしまうけど、2ストらしいヤンチャぶりは健在。以前乗ったHT90とはまるで別物のパワー感で、35ccの差はこれほどかと感心した。ものすごく、楽しい。
1978年式 DT125 型式2NO。僕がVMXの素材として、今一番の候補に上げている車両だ。

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カンチレバーという言葉をそれまで知らなかったんだけど、意味を調べたら「片持ち梁(ばり)」とあった。つまり、梁の一旦は固定され、他端は動くという構造体を指す。そういえば自転車のブレーキでも「カンチブレーキ」というのがある。これも正確には「カンチレバーブレーキ」なのだろう。構造を考えるとナルホド。

DT125はリアショックに、カンチレバーのモノサスが採用されており、ヤマハはいち早くその仕組みを導入した。同年代のYZもこれであり、当時は「空飛ぶサスペンション」と呼ばれた。何かに似てると思ったら、H-Dソフテイルのリアサス構造に近いようにも見える。ショックの付き方が違うので、その反力ベクトルは全く異なると思うけど。

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チキチキビンテージエンデューロのレギュレーションに、「ヤマハ・カンチレバーは可」と書いてあって、ずっと気になってた。やっと意味がわかった。
正直なところ、VMXといえばツインショックだと思っていた。DT125も1977年以前はツインショックであり、レトロ感もたまらなく好みである。しかしタマが無い。おまけにあっても高い。35~40年前の車両ともなれば、そもそもどんなものでも少ないが、とりわけツインショックは人気のようだ。

ビンテージ感という意味ではイマイチいききれてない、2NOがなんだかとても好きになった。重要文化財が欲しいわけではないから、乗って楽しくて気兼ねなくブン投げられて、それでいて愛せる車両が良い。自分だけでなく、奥さんがクローズドコースで乗るのにDT125はぴったりじゃないかと思う。タマも比較的ある方だし。

さあ車種の目星はついた。あとは出会うだけだが、これがなかなか難航している。40歳のウブなべっぴんさんは、そう多くないのである。

 

1件のコメント

  1. 懐かしー、初めて買った125CCバイクがこれでした。
    今から36年前のこと。
    いまだにも一度乗りたいバイクの一つです。

    • アラザンさま

      はじめまして。コメントありがとうございます。
      DTが初バイクでしたか。同様に「これ高校の時乗ってたよー」とか、「欲しかったんだよー昔」とか、「空飛ぶサス衝撃だったわー」とかとか、懐かしのマナザシでお声がけくださる諸先輩方が沢山おられます。軽くてよく走るし、気楽なバイクですよね。
      ソコソコ程度の良いタマがあれば、いかがでしょうもう一度。なにせ安いですし(笑)。

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