セロー30thアニバーサリーミーティング




 

あれだけのセローが集まると、本当に草食動物の群れに思えてくる。水飲んだり草食んだり、威圧感とはほど遠い世界。そこに山があれば上り、谷があれば下る。中には少し傷を負った者もいるが、総じてタフだ。模様があったりなかったり、せっせと個性を主張するのもいる。それすらもやはりセローである。

やがて登場した柏氏は、炯眼な羊飼いのように彼らを導き、ぼんやりと気づかぬうちに囲いにおさめた。

「セローならそれができる。セロー乗りならそれができる。」

草食動物の心にじわりと沁みる。僕がセローに惹かれたわけは、きっとこれなんだなと思う。僕も観察をやめて群れに混ざり、富士の麓を駆け巡る。

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