北海道ツーリング2015 ~ 6日目

【 6日目:グリーンパークぴっぷキャンプ場~旭川~ホテルリリーフ札幌 】

最終日の朝、北海道に来てから初めての曇天。最後のテント泊なのでしっかり乾かしたいがお日様は雲隠れ。実質今日で野宿生活はおしまい。明日の朝には船上の人である。今夜は札幌のホテルに泊まり、一週間分の垢を落とし、酒を飲みジンギスカンを食ってこの旅を振り返る。文明社会に戻るのだ。札幌までは150キロ余りの道のり。昨日の道程を思えば、150キロなどもはや目と鼻の先だ。慌てることはない。

ゴミは捨てられないキャンプ場なので、面倒くさがってコーヒーも淹れず、のんびりと荷物を片付ける。テントをしばらく道に広げとく。一人しかいないので好き放題。奥の森にはリスの姿が見える。パッキングを済ませ8時45分出発。管理人さんにご挨拶。本当にお世話になりました。いろいろ揃っててそして一人だったので自由に使えて、最後がここで良かった。

札幌に向けて道道39号からR12へ。セイコーマートで遅めの朝食をとりながら、なにげなく見たニュースで川島なお美さんの死を知る(北斗晶さんの乳がんも知る)。享年54歳という若さ。特に好きなわけではなかったが、何故かとても衝撃を受ける。

僕はお笑いマンガ道場を見ていた世代だけれど、だん吉・なお美の「おまけコーナー」は巧妙で好きだった。あの頃の川島なお美はとても可愛いかった。付け加えるなら、富永一郎のおっぱいネタや鈴木義司とのマンガ問答も「しょーもない」掛け合いだったが、バカバカしくも安定の予定調和でふり返れば平和だったなと思う。近年の川島なお美はどこか鼻につくようなところも感じられたけど、それすらも「企みのひとつなのよ」と彼女は笑って言いそうだ。そんなとりとめのない思いが頭をよぎる。

しっとり豆パンを口に放り込んで再び走り出す。人生は短い。いつなんどき、人生の幕は切って落とされるかわからない。明日が当たり前にくるなんて思わないことだ。自分への戒めとする。

午後の2時頃には札幌市内。ホテル前にバイクを停めて、少し早めに入れないか聞く。チェックインは3時なのだ。部屋の用意が出来てないので荷物だけは預かりますと一度は断られるが、荷解きしてロビーに戻ると、部屋のご用意が出来ましたのでどうぞと案内してくれる。ありがたい、言ってみるもんだ。シャワーを浴びて、まずは札幌駅の大丸に土産を買いに行く。北海道まで来て大丸とは趣がないが、走っている最中は土産のことは頭になかったので仕方ない。

駅前で「北海道・東北うまいもの広場」。

軽く覗いてみるが思い留まって、念願の「だるま」へ行きジンギスカン。昨年はあまりの混みっぷりに諦めた。店に着くとほとんど満席ではあるが、かろうじてカウンターの端に滑り込む。飲み物の注文だけ聞かれ生ビールを頼むと、あとは勝手に運ばれてくる。鉄板のフチに野菜を敷き詰めて、山頂にラム肉を静かに横たえる。ジューという良い音と香ばしい匂いが立ちのぼる。セイコーマートのジンギスカンも好きだが、これは別格だった。うまい。生ビール二杯と小ライスも食ってお勘定。

ほろ酔いで札幌時計台。次いで大通公園。大通公園は、いつも何かのイベントをやっていて楽しい。「さっぽろオータムフェスタ2015」に突入。皆思い思いに酒を傾けてツマミを楽しんでいる。


あの人の血液だったという赤ワインを掲げ献杯。勢いがついてきて赤と白の飲み比べセット。気持ちよく酔いがまわってきて、公園の芝生に寝転んで夜風に当たる。

漆黒の空にさっぽろテレビ塔が浮かぶ。
ストリートミュージシャンがかき鳴らすベースを聞きながら、甘くまろやかな夜がおりていく。
本日の走行距離:173.1km

 

 

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