奥飛騨エレジー 1日目

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夜明け前の月が出ていた。うだるような暑さに喘いだ夏も、終わりが見えてきた。僕はワイドグライドに荷物を満載して、首都高池袋線西神田へ滑り込む。

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向かうは北アルプス、岐阜県の平湯温泉から奥飛騨温泉郷を経由して、あとは成り行き任せの旅。例によって良さそうな川があれば竿を出し、無ければ無いで温泉にでも浸かってキャンプを楽しむ。今年は北海道には行けないから、まあその代わりと言うか、奥様にわがままを言ってひとり出かける事にした。今年は台風がいくつも来ていて、後半の天気が少し不安ではある。

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首都高を行くと背中から朝日が昇り、昨年のSSTRの感覚が甦る。
中央道から長野自動車道へ。途中パーキングのベンチで少し仮眠して、その後一気に松本まで走る。松本ICを降りてR158で上高地方面へ向かうも、途中でちょっと思い直して来た道を戻った。このまま山に入るには、まだ随分時間が早い。

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せっかくなので松本の町を少し観光する。松本城は興味無いのでパス(国宝だ)。松本市美術館で草間彌生の常設展があることがわかり、さっそく向かってみる。

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草間彌生といえば、瀬戸内国際芸術祭で訪れた直島で有名なかぼちゃを見たが、恥ずかしながらかぼちゃ以外の作品は良く知らなかったし、もっと言えば草間彌生がどんな芸術家なのかもわかっていなかった。彼女が松本市の出身だということも、この時初めて知った。

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今回このぶっ飛んだ常設展を見て、こんな凄い人が居たのかと目からシーラカンス級の鱗が落ちた。インスタレーションの素晴らしさと、圧倒的な存在感。それに尽きる。

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良いものを見た。機会があったらぜひ行ってください。

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松本市を後にし、山へ向かう。その前にスーパーで買い出し。豪勢に飛騨牛といきたい所だが、貧乏根性に火がついて豚肉に。だって高いじゃん。ひとりなら豚で充分と念仏を唱えて、酒やら野菜やらを放り込んでいく。野菜はあまりの安さに露天で慌てて買ったのだが、スーパーでも充分に安かった。東京とは比べるべくもない。

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安房峠道路のトンネルを抜けて、久しぶりの平湯キャンプ場へ。
受付で以前の記録を調べてもらったら、来たのは2002年の夏だった。今から14年前。当時ハーレーを買いたての僕は、乗鞍スカイラインがマイカー規制で立ち入れなくなる前に、ひとりこのキャンプ場を訪れた。

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まだソロキャンプもほとんどした事なくて、慣れない重量車に四苦八苦して安房峠を超えた。まだトンネルが無かったのだろうか、なぜか峠をひーひー言いながら走ってきた。しかも二往復。道を間違えてどういうわけか二往復して泣いた。間違えたのなら引き返せば良いだろうに、なぜそんな事したのか今ではさっぱりわからないが、いろんな事が手一杯だったんだろうと思う。翌日、無事に乗鞍の雲海を見たのを良く覚えている。

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感傷に浸ることもなく、さっさとテント設営。

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建てたらとりあえずの一杯。暑くてやってられん。すぐに食べられるお惣菜(主に揚げ物)を買って、即グビが最近のお気に入り。ぷはー、たまらん。この為に走ってるな。

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冷やしておいたトマトもぽいぽい口に放り込んで、酒がすすむ。

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今日の酒はシャトードハーツ2012を家から持参。
これは温泉上がりに、豚肉のソテーと合わせる。

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ゆっくりと夜の帳が下りてきて、ほろ酔いで平湯温泉「ひらゆの森」までプラプラ歩いて向かう。キャンプ場でチケットを買うと100円引きになって、入湯料400円と良心的。泉質の良さは申し分ない、大好きな温泉。露天に浸かってサウナも入って、マッサージ機とフルーツ牛乳のコンプリートしてキャンプ場へ戻る。戻ってすぐに虫除けのハッカ油を塗るが、両足首に二ヶ所ブヨの攻撃。蚊だと思っていたのでリムーバーをしなかったが、翌日以降マンガみたいに腫れて辛い。

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夜飯は米も炊いた。メインは特に芸もないスキレットでのソテー。

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美味しく出来たがもう少しレパートリーを増やしたい。
明日は早い、適当に飲んでテントへもぐり込む。

 

 

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