つまりは好きだということの単純さ

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つまみを上げてボディを横に倒したら、ダイヤルを回して1cmほど芯を出し、アラジンのストーブに火をつける。さっとブルーの炎が芯を走る。火が大きくなりすぎないように調節して、上にかざした手で暖かさを図る。アラジンが来て五回目の冬。冷えきったガレージを少し暖めて、AMラジオのスイッチを入れる。耳の端に音楽を聴きながら、セローのオイル交換。
寒いな、ここ数日で東京の気温はぐっと落ちた。

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いつものようにドレンを抜いて、いつものようにオイルを注ぐ。
セローのバッテリーがずいぶん弱ってきたのも分かっていたが、さほど電力に頼らない造りなのだろうか、2〜3度キックしてやれば事もなくエンジンはかかったし、少し走れば光量も問題なかった。愛しきセロー。頼もしいバイクだな、といつも思う。

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6VのDT125は、保安部品もナンバーも外していたので、気が向いた時に乗る事ができなかった。6V用の充電器も持っていないので、いつバッテリーが上がるか気がかり。この寒いガレージの冬はこたえるだろう。たまに外に出して半信半疑でキックを踏んでみると、数週間放ったらかしたわりにあっけなくエンジンはかかったが、そろそろ保安部品を戻して公道で乗るかと思っていた。

そんな矢先、チキチキVMX初戦の日程が発表される。来る3月26日(日)。あと二ヶ月と少し。
少し考えて、保安部品はそのままにバッテリーの端子を外しておくことにする。
サイドカバーを外してバッテリーを引き出す。ふと横の蓋に気づく。

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ぱかっと取ると何やら袋のようなものが。

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これはもしやと引っぱり出すと思った通り、隙間なくきっちり収まっていた38年前の車載工具が。

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なんというか、このオートバイの育ちの良さを感じるひと時。バッテリーもきちんと国産、GS-YUASAの純正品である。マイナス端子を外して再び収める。車載工具は軽量化のために、外して別保管。

さて、チキチキ開催の前にまた練習に行こう。そして、思う存分振り回してやるのだ。

 

 

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