「おはようございます、佐川急便です」
うちの管轄の佐川さんは、見るからに折り目正しい配達人で、荷物は毎度きっちり8時10分に届けてくれる。その時間に誰か居ることがわかっている。プロなのだ。
「こちらにサインをお願いします」
ペンを受け取る。
受領のサインをする間、佐川さんはスッと腕を前に組み、少し頭を垂れて節目がちにそれを待つ。独特の緊張感が走る。あれはきっと心の中で、片膝くらいついていると思う。まるで大名に仕える武士か、あるいは寡黙な執事のように。
僕は少し緊張気味にサインする。一度くらいは外国映画のように「ちょっと背中かしてくれる?」と言って佐川さんの背中ごしにサインしてみたいのだが、とてもそんなことを言い出す雰囲気にはない。まったくこちらも頭が下がる。
DTのシートが届く。厳重すぎるほどの梱包をといて、リニューアルされたシートとご対面。
あの張りのないヘコヘコだったシートが生まれ変わった。全体のシルエットやパイピングも理想通りの出来。YAMAHAロゴが無くなったことなど、取るに足らない問題だ(おそらく商標権の問題で文字入れは不可)。
早速バイクに付けたらなんとハンサムなことか。きっと2馬力くらいアップしたと思う。素晴らしい仕事ぶりにお礼のメールを入れ、赤い生地のサンプルも同時に請求。次はセローのアンコ盛りと張り替えを頼んでみたい。
ついでにひん曲がったシフトペダルも交換。
駄目もとで15種類くらい部番調べて問い合わせてみたら、半分くらいはまだ部品があった。Fフォークのシールや、オイル漏れしやすいシフトアームのパッキンなども出る。やるなあヤマハ。
シフトペダルアセンブリ【2A6-18111-00】3,618円也。