部下とサシ飲み

sasashin

職場の部下から「novotelさん、明日一杯どおですか?」と珍しく誘われ、久しぶりにサシ飲み。誘われるうちが華だわい。なんか話したいことでもあるのかと、一瞬身構える悲しき中間管理職なのだが、そういうわけでもないらしい。「特になにもないんですけど」ってこっちの心中察してわざわざことわりを入れるくらいだから、単純に飲みたい気分なのだろう。受けて立つぜよ。

最近の若者はのみニケーションを嫌うとか、今夜軽くどお?なんて急なお誘いはご法度とか、そもそも酒自体飲まんのですとか、これってパワハラにならんのかとかとか、誘う上司の側がとってもとっても気を使って挙句誘えなくなるという状況もあるんだけど、僕は立派なおじさんなのでもちろん無理強いなんてしないけど、のみニケーションという文化がダサくても懐古的でも結局肯定派なわけです。やっぱりそこで距離がぎゅんと近づくことはある。職場でなんでも話せればいいけど、そんなことばっかじゃないもんね人間。

 

仕事にちょっと追われてバタバタと慌ただしく退社。先に出ていた部下と合流して、さて一軒目。人形町の大衆居酒屋の名店「笹新」を覗く。
僕はこういった正統派の居酒屋が好きで、笹新はそんな好みにドンズバな店。予約は受けないので夕方5時の開店後すぐに一杯になってしまう。入れるかどうかは時の運、酒の神頼み。

暖簾越しに中を覗くと、運よくカウンター席に2脚の空きがある。しめたと入店し、「はいすいませんすいません」と両隣との距離0cmのきゅうきゅうな空間に身体を押し込める。これがまた楽しいんだよね。真剣な話になるならもう少しパーソナルスペースが必要だけど、まあ今日はこれでよかろう。
まずは瓶ビールで乾杯。サッポロ黒ラベル。ツマミはしめ鯖、秋刀魚の煮付け、オコゼ唐揚げ、生牡蠣、ポテサラなんかをパクついて熱燗へシフト。うまいうまい。カウンターに並ぶ惣菜の大皿を眺めながら飲むって、たまらんのですよ。

 

実は、年内をもって僕自身の部署異動が決まっていた。内示が出たのは11月の初め。
部下全員を残して、来年早々発足される新規部署の立ち上げに尽力せいとなぜか白羽の矢が立った。青天の霹靂ではあったのだけど、これでもジャパニーズサラリーマンのはしくれ。一週間ほどあれこれ思い悩んだ末、この流れに乗ってみようと気持ちの上では完全に切り替えた。

自分の整理はついたのだけどなかなか皆には言い出せなくて、彼に一杯どおですか?と誘われた数時間後に、6人の部下を集めて話をした。多少ザワついた程度(笑)。皆オトナだからですきっと。そんな経緯を経てのサシ飲みは、やっぱりその話も出るし、今後の不安や想いなんかが彼の口から溢れ出た。

二軒目に流れてからも日本酒をあける。
僕もこれまで上司にたくさんご馳走になった。そこで会社の理不尽さを訴え、あるいは今後の展望を暑苦しく語り、上司はふんふんと聞き役になってくれた。
今の会社でも以前の会社でも、上役という人たちはいつも有難い存在だった。それはべつに組織図の話ではないんだろうな。ただ、自分よりも世の中のことを良く知っていて、僕に解決できないことをしてくれたり、親しみを持って酒を飲んでくれたりする。それはたぶん、嬉しいことだ。

 

頑張れ若者よ、オレもまだまだ負けないからさ。

 

 

 

1件のコメント

  1. 「仕事は人の器をつくり、趣味は人の風格をつくる。両方やらなきゃ」とは故・民秋史也氏(元・㈱モルテン社長)の言葉。
    私、このことばに救われました。と同時に目指してもいます。
    欲張りではなく、豊かな人生をおくりたいものです。

    • RYOさま

      そおですねぇ。仕事とは、なんて考え出したらホントに難しい。いっそ仕事を趣味化してしまえたら、どんなに楽だろうかといつも思います。もう、そろそろそれが出来る歳なんではと。いつもコメントありがとうございます。

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