ミシュランビブグルマン「Osteria Pizzeria ALBERO」 〜姫路

ずいぶん前のことになりますが、そういえばとても美味しいピッツェリアがあったなと思い返して備忘録的に。

移住地を探して各地をふらふらした我々が、その日は姫路に宿を取ったのでありました。
さあ飯は何を食らうか寿司かトンカツか焼き魚もいいぞと思いを巡らすワタクシを尻目に、「姫路にはビブグルマンを獲るピッツェリアがあるよ」と嫁。

おまえー、どんだけ研究熱心なんだと。ここにきてまだピザ食うのかと。オレは米派なんだぞと。しかし奥様がそう言うのに、焼き鳥で一杯イキたいなんて口が裂けても言えません。いや言ったかも。言ったけどあまり気乗りせぬまま、一軒のピッツェリアに向かったのでありました。

Osteria Pizzeria ALBERO

店内には数組のお客様。すぐに席に案内されます。
和食口になっていたワタクシは、少々バックギアだったこともあり、前菜盛り合わせととりあえずピッツァを一枚だけ、あとはお酒をそれぞれ頼んだのでありました。

まず前菜の盛り合わせがきて、これがまー美味しい。
特にチキンのクリームチーズ和え(?)が絶品で。かぼちゃもシメジも全部美味かった。俄然酒が進みます。もう寿司だ焼き鳥だの気持ちは消し去り、すっかりピッツァが待ち遠しくなりました。

頼んだのはマルゲリータとクアトロのハーフアンドハーフ。王道中の王道です。店主が生地を伸ばして、薪窯にパーラーを挿入。一挙手一投足を見守ります。嫌な客だよまったく。窯入れから焼き上げまできっちり90秒、ピザが焼き上がりました。クアトロには何も言わずとも蜂蜜が添えられてきました。写真が悪くてごめんなさい。

嫁と2人して頬張る。
めっちゃうまい。めっちゃうまい。ナニコレめっちゃうまい。
あっという間に食べきってしまい、もう一枚頼むか悩んだけど今回はやめておきました。でもつんごくうまかった。

奥様も大絶賛のピッツァ。思い出す度にもう一度食べに行きたいです。

 

蛇足。
こんなブログをやっていて今更すぎるけど、これまでお店のことをアレコレ書いていて、それはとても身勝手なことかもしれないと自らが提供する側になって知りました。このブログはこれからものんびり続けますが、お店への配慮は今一度肝に命じなきゃと背筋を伸ばした次第。

 

 

 

コンテンポラーネア試してみたけれど

大阪の居酒屋を間借りしてのピザ屋営業、今月もやりますです、はい。
緊急事態宣言が延長されたので、またしてもテイクアウトのみとなりますが、ぜひともご贔屓に。ひらにーひらにー。

それで、またしてもチラシを作ってラクスルに入稿する。前回の仕上がりを鑑みて、少し明るめに濁りを取って青みをかなり引いた。あがったチラシは直しが効かず一発勝負なのだが、それはそれで面白い。

前職でウェブマーケティングをかじってきた身としては、IA/UI/UXとかそれらしい戦略をとってもよさそうなものだけど、いざ自分がやるとなったらチラシだの看板だの泥臭いことばかりしている。むろんチラシにだってUXは必要だが、あまりそこ考えて作ってないのよね。エクスペリエンスとか言ってる場合じゃないんだよ。ペルソナだのも散々やってきたけれど、今は買いに来てくれるお客様ひとりひとりに向き合う方が血肉となっている。

カプートのヌーヴォラが届いたので、コンテンポラーネア仕様を試す。結論からいえばやっぱ無理だおこれ。

発酵種から仕込んで生地練りを加え、トータル30時間以上寝かして(冷蔵庫含む)分割の作業に移ったが、予想どおり生地がゆるすぎて扱えない。水分量70%はお好み焼きみたいなドロドロ感。さらに粘りが強いので手にベトベト引っ付いてどうにも。おそらく、水の違いや自家製天然酵母を使っている差だと思う。

成形どころか分割もままならず、レシピを無視して粉を追加投入する。それでもかなりゆるい生地をなんとか丸めて、フワッと伸ばして焼いた。マルゲリータ、塩麹チキンと葱、ベーコンとパプリカとズッキーニ、など。

もう焼成も全然うまくいかなかったけど、とりあえず食べてみる。うーん、焼きはダメだけど、粉の味はそれほど悪くないし何より軽さはある。この軽さは水分量によるものか、ヌーヴォラからくるものか。面白いなあ。国産小麦で転用できる点はあるか。ブツブツ。

カプートってこんな味だっけ?ヌーヴォラとサッコロッソだと随分違うのかしら。ちょっとこれまでの印象と違ってた。
印象は悪くないけど、リスキーすぎて実用には程遠い。

 

 

 

 

ピッツァ・コンテンポラーネア

今、ナポリの若いピッツァ職人たちの間で、現代風ピッツァの新しい流れがきているという。「ピッツァ・コンテンポラーネア」

この言葉を知ったのはつい先日のこと。
浅学菲才の僕でも、ナポリピッツァはある程度伝統的な食だと思っているが、伝統を踏襲した上でまだ新しい製法をあみ出すとは、どんだけ旨いもん作りたいんだよナポリ人。感服いたします。伝統的であればあるほど、変化を受け入れるのは容易くない。虎屋が羊羹の作り方変えてきたようなもんだよね(違う?)

ピッツァ・コンテンポラーネア提唱の中心人物が、爺ちゃんの代からのピッツァ職人であるヴィンチェンツォ・カプアーノ氏。あなたすごいねー。
カプート社からもそれに適した粉を出すということは、一過性の流れではないということがわかる。「雲」という意味のヌーヴォラという新しい小麦粉を使って、デカ縁で軽い焼き上がりのピッツァになるという。

レシピを見ると、これまでのオーセンティックな製法とはいろいろな点で異なっていて、最終的な生地の水分量は70%にも。レシピを知ったところで生地の扱いは容易ではないな。僕は普段カプートを使っていないし、これからも使う予定はないけれど、どんなもんなのかヌーヴォラを少し仕入れてみた。ニワカの僕が説明するよりご興味のある向きは動画をどうぞ。

それに刺激を受けて、というわけでは全くないけれど、小麦粉を何種類か揃えてブレンドも含め、最近いろいろとテストしている。あくまで国産小麦のみで、コンテンポラーネアでもなく従来製法だけど。

種類ごとに何回にも分けて手ごねするので結構大変。何時間もこねてます(笑)。

結論としては「やっぱり粉って大事」という至極当たり前の結果に。確認作業ですな。配合割合もいいところに落ち着いたので、当面これでいきましょう。

だけれども、実際営業してみたら、生地について大変かつ重要なことはもっと他にあった。ある意味美味しい生地は慣れと努力で作ることができるけど、それだけでは足りないということを営業の中で知ったね。それが何かは数日間営業してみるとすぐにわかります(笑)。

 

 

【宣伝】ワタクシの新プロジェクト、「海とピッツァ」のウェブサイトを公開しました。今はまだ間借り店での不定期営業ではありますが、良かったらぜひチェックをー。宣伝でしたー。

海とピッツァ(UMI TO PIZZA)

 

 

 

 

屋号は「海とピッツァ」 〜ポップアップ営業その1

暑い。罪なやつさ、サンシャイン。
夏というのが、心浮き立つような特別な季節ではなくなったが、これが自分の歳のせいなのか、時代の移り変わりなのか、よくわからない。

居酒屋を間借りした、4日間のピザ屋営業がひとまず終了。お買い上げいただいた方々、ありがとうございました。結果はどうだったかというと、19年間この店を営んできた義母の顔の広さで、ご近所の方がたくさん買いに来てくれた。まずはお手並み拝見、というところでしょう。SNSで営業を知った知人が食べに来てくれたり、地道に配布したチラシもそれなりに効果があって、多くの方にピザを食べていただいた。完売した日もあった。

では、万事うまくいったかというとそんなわけもない。多くの課題も残した。
営業してみなければわからなかった事だらけ。自分の未熟さも露呈したし、仕込みやオペレーションの大変さを知ったし、お代をいただいて買ってもらう有難さも身にしみた。「美味しかったよ」の言葉はもちろん嬉しかったが、厳しいご意見も飲食店の方からしっかりいただいて、有難い限りだった。いろいろあったけど楽しかったな。

奥様も買い出しから営業から4日間全てサポートしてくれた。二人とも立っていられないほどヘトヘトに疲れ果てて、それでも交通費や経費を算出すると赤字である。商売としてはまるで駄目。それをわかったうえでやったのは、お金を払ってでも得たい経験のためである。今はその時期なのだと思う。このまま終わりにすれば良い思い出になるだけだけど、精進してもっと美味しいピザを食べてもらいたい。そんな想いも強く残った。

なもので、また、やります。

8月14日(土)・15日(日)・18日(水)・19日(木)の4日間。

変異株が猛威をふるって大阪も再びの緊急事態宣言。なので今回はテイクアウトのみ。前もって電話でご予約いただければ、焼き立てをすぐにお持ち帰りいただけますです、はい。情勢が情勢なだけに変更の可能性も否定できませんが、最新の情報はインスタで。そうですそうです、アカウントを作りましたのでご興味のある向きは是非に。

  海とピッツァ(@umitopizza)

 

思い描いた人生を歩いているようで、何が起るかわからないのが人生の基本原理であろうか。

 

 

 

 

大阪でテスト営業します!

この先10年かけて、自分の仕事や住環境を再構築しようとサラリーマンを辞めて、以前から憧れのあった飲食業への参入を決意したのであります。よく聞くタイプのアレですね。なにもこんなご時世に、と言われれば返す言葉もございません。でも、ピンチはチャンスと申しましょうか、結局、好きなことをやればいいんだよな。誰に遠慮がいるものか、だわ。と思うに至り、奮い立たせて進んでおります。今はまだ道半ば。

で、同時に移住地も探すというわりと難易度の高いミッションを遂行しているのですが、場所は決まったものの物件探しに難儀しております。それも、ようやく光明が差してきたかも?という段において、その前に、絶対的に不足しているのが経験値であります。経験こそが我々の血肉となっていることは、長いサラリーマン人生において嫌ほど学んだことでもあります。しかし、歩んできた過去は変えられません。

長い前置きになりました。

大阪で義母が居酒屋を営んでおります。地元に根ざした、ガチンコ地域密着型のお店です。幸いにして、使って良いよという状況でして、そこを昼間借りして4日間限定でピザを焼きます。店内飲食可能、テイクアウトももちろんオッケー。ぜひお近くにお越しの際は、冷やかしに来てやってくださいませ。

本日、窯や道具をまとめて佐川急便で送りました。僕自身も明日向かいます。

 


7/14(水)、7/15(木)、7/24(土)、7/25(日)の期間限定営業。

大阪市住之江区北加賀屋2-7-11 タカスエハイツ1F
居酒屋 わっと内

※情勢によってはやむなく予定を変更する可能性もございます。ご了承ください。