キタノカオリ全粒粉

久しぶりのカプート サッコロッソを使って生地作り。
それに興味のあった全粒粉を30%ブレンドしてこねてみる。

・粉 :サッコロッソ(170g)、キタノカオリ全粒粉(50g)計220g
・水:130cc
・塩:3g
・ホシノ天然酵母生種:17g(4日目)

もう定番のマルゲリータ

これもおなじみ、葱とベーコン

 

奥様曰く、全粒粉の良さが特に生きるのはマルゲリータ。葱とベーコンは具材が強いせいか、通常の強力粉だけでも良いかもしれない。でも全粒粉の香ばしさや旨味は期待通り。なにより、天然酵母に変えたことは、味に大きな変化をもたらした。ベーカーズパーセントはやはり、7.5%〜8%で良さそう。

悪くないね。次は岩手県産の「ゆきちから」を試してみる。

 

 

レシピ覚書 〜天然酵母編

1回目 マルゲリータ
・粉 :220g(キタノカオリ170g:春よ恋50g)
・水:145cc
・塩:3g
・オリーブオイル:小さじ1/2
・ホシノ天然酵母生種:21g(9.5%
・酵母発酵期間:3日目
・生地の状態:膨らみ弱い、柔らかい

2回目 マルゲリータ
・粉 :220g(キタノカオリ)
・水:140cc
・塩:3g
・ホシノ天然酵母生種:25g(11.4%
・酵母発酵期間:10日目
・生地の状態:膨らみ弱い、柔らかすぎる

次回はホシノ天然酵母 17g(7.7% @8.5g)で、発酵2日以内に試す事。

 

 

ホシノ天然酵母

大きな進歩もないまま、相も変わらずピッツァを焼く。
不味くはない。でももう一段レベルアップしたい。

そこで2018年の初ピッツァは、かねてより考えていた天然酵母を使っての生地作り。これまでは俗に「赤サフ」と呼ばれるインスタントドライイーストを使ってきた。何しろ品質も安定してるし楽だ。発酵ぐあいもプカプカ膨らんで問題ない。だけど微妙にイースト臭は残って、気になるといえば気になった。

それに、天然酵母だとどの程度違うのか興味はあった。
ホシノ天然酵母パン種と自動発酵器を購入して、初めての酵母起こしにチャレンジ。

とはいえ、自動発酵器があれば勝手に温度管理してくれるので、チャレンジも何もない。

100cc、30℃(攪拌後は28℃)のぬるま湯に50gのホシノ天然酵母を加え、ダマにならないよう均一に混ぜる。よく混ざったら発酵器に入れて24時間発酵させる。水の温度と時間が重要。

24時間後に出すと、ぷくぷくと泡が立って芳醇な香りがする。酵母が育っている状態である。なんだかちょっと愛しい感じ。これをさらに冷蔵庫で7時間以上休ませる。写真は冷蔵庫に入れて3日ほど寝かせた状態。一週間ほどで使い切らなければならない。

早速生地をこねる。

 

・粉 :キタノカオリ(170g)、春よ恋(50g)計220g
・水:145cc
・塩:3g
・ホシノ天然酵母生種:21g
・オリーブオイル:小さじ1/2

こね感がすでに全然違う!

カプートサッコロッソが無くなったので、国産小麦のみで作ったのだけど、国産はグルテン量が少ないのでどうしても固めになるはず。なのにすごい粘り。シルキー感がハンパない。これは期待できる。

いつも通り30分こねる。表面のツヤ感、しっとりモチ肌。そう、お餅みたい。

これに濡れ布巾をかぶせて1時間休ませる。
これまでのドライイーストだと1時間でかなり膨らんだのだけど、今回はあまり膨らまなかった・・・。大丈夫だろうか。

1時間後、等分して丸め番重に粉をふって寝かす。

8時間くらい発酵させて、いざ蓋を取って生地を見る。
ぬおー!ほとんど膨らんでないじゃんか。僅かに大きくなった程度。発酵力が弱いのか。し、失敗なのか・・・。この時はガックシうなだれる。

勿体無いし、ダメ元で焼いてみることにする。
生地を出して伸ばし始めると、あれ・・・?これ、悪くないんじゃない?

こねてた時のシルキー感はそのままに、素晴らしい柔らかさと粘り、弾力。動画で何度も見たナポリの生地に近い感じ。薄めに伸ばしてマルゲリータを作る。

次いで最近の定番、炙りチキンと葱のピッツァ。

生地の食感はもっちり。だけど軽くて雑味がない。表面のパリッと感がもう少し出るとなお良いけど、でもでも、奥様からかなりの高評価!「これまでと全然違う」と。

なんだか生地が優しい。お腹に良いと言うか。これまでの生地は、どこか腹にドカンとくるところがあって少し負担だった。そういうのが無いしシンプルながら旨い。

小麦の種類、塩分量、こね方、いろいろ試してきたけど酵母でも大きく変わることがわかった。もっと良いタイミングで使えばもっと旨く作れると思う。ちょっと伸び悩んでいたピッツァ作りに、また改善できる要素が見つかった。これは大きな収穫だ。

 

 

アグロピッツェリア ダ パンダ

アグロピッツェリア ダ パンダ」は、若松河田にあるパンダのキャラクターを随所に散りばめた、一見ユニークで可愛らしいピッツェリア。若い女性オーナーが切り盛りしている。だがしかし、見た目の可愛らしさだけに騙されちゃイケマセン。ここは僕の注目度ナンバーワンの店である。それは女性オーナーだからというわけじゃない。それもまぁ、少しはあるか。

こちらのオーナーは「フォルニーノ」というキッチンカーでの営業も並行してやっている。固定店舗とキッチンカー、両方やってる店は他にもあるけど、そんなに多くはない。そしてこの妙齢の女性は畑もやっていて、ピッツァに使う野菜も自ら栽培してるという、ポテンシャルの高いお方。車両はサンバーベースにガス窯積んで、各種イベントなどで出店してるらしい。

新宿にほど近い若松河田に固定店舗、国立に畑、キッチンカーで移動販売。素晴らしいじゃないか。この生き方、マジ憧れちゃうわ。そう簡単にできることじゃないと思うけど、なんだかこのオーナーは涼しい顔してサラっとやってるようで、かつユーモアも忘れないんだからとにかくカッコイイ。

そんなベタ誉めなダ パンダなのだが、ではお味の方はどうなのよと、ようやっと日曜日のランチに滑り込みで食べに行くことができた。若松河田の駅をおりて徒歩2~3分で到着。あ、なんかこの店好きだーって感覚がすぐにくる。店構えっていうかですね、特別洒落てるわけでもないんだけどイイんですわ空気が。

ランチタイムぎりぎりだったのもあって店内はわりと空いてたけど、僕のあとに2~3組入ってきたりテイクアウトで買っていくお客さんもいた。窓際の席をとってメニューに目を落とす。店内の雰囲気もすごく良くて、窓からの日差しが心地良い。薪窯はこの店の顔にもなっているパンダ窯。手塗りだと言っていた。キャッチーで子供へのウケは最高だろう。

Aランチのセット
マルゲリータ(ちびサイズ18cm)
かぼちゃのスープ
グリーンサラダ
これで950円
赤のグラスワイン350円を追加してオーダー。

基本的にピッツァは18cmの「ちびサイズ」と、28cmの「ふつうのサイズ」の2種類が用意されていて、価格差が確か300~350円くらいある。どちらのサイズもそもそもの料金設定が、かなり安い。
そして僕も作っていて思うのは、「少しサイズを小さくしたくらいでは、原価はそれほど下がらない」という現実。つまり、ちびサイズは原価率もきっと高いだろうし、作る手間だってふつうサイズと変わりないんだから、このサイズを格安で用意してるってことは、単純に「お客様のことを考えて」やっているということが分かる。
コストが一番かかるのが、おそらくチーズだろうけど10cmサイズダウンしたところで300円も引けるとはちょっと考えにくい。

誤解を恐れず言えば、高い材料を使ってそれなりの技術が伴えば、旨いピッツァは作れる。だけど僕の感覚では、2,000円のピッツァはやはり高い。その金額になる理由はわかるが、気軽に食べられる額ではない。その点、ダ パンダの価格設定はすごく理想的で、そういう意味では数多ある有名店よりも余程興味があったのである。味がこれに伴っていれば凄いことだ。

最初にセットのサラダ、そしてかぼちゃのスープが運ばれてくる。スープは季節によって変わるらしい。このスープが絶品。初冬の日曜日のランチにはこれ以外ないと思えるほっこりした旨さ。そしていよいよピッツァが焼きあがる。

18cmは確かに小ぶりだが、物足りなさは僕にはまったくない。食べ盛りの男子ならふつうサイズが良いだろうが、女性とか一杯飲みながらつまむとかなら、むしろちびサイズで良い。

6等分されたピッツァをひと切れとって頬張る。旨い。
生地は余計な味がしない。かなり薄めで軽くもっちりしてる。コルニチョーネは適度な厚みでふかっとエアリー。過度な塩分もなくバランスが良い。その分トマトソースはちゃんと塩味ついてて引き締めている。良いなあ、旨いなあ。

で、モッツァレラ。これは多分乳牛のフレッシュタイプ。もちろんこの値段でブッファラ(水牛)は無理だろう。極上じゃあないけど普通に旨い。何切れかわざと少し冷えてから食べるという意地悪したけど、やはり冷えれば少しモキッとした食感が立つ。でもこの値段でこの旨さって、次元が高い。教えてくださいこのチーズ。

「ごちそうさま。旨かったです。また来ます」

そう声をかけて店を出た。
あまり話はできなかったけど大満足。
次は奥様と行って感想を聞こう。

 

 

 

食品衛生責任者

取得。

これで一応、飲食店が開業できる。
予定はないけど。

 

そしてまたピッツァを焼く。
もう1種類買った新しい小麦粉「キタノカオリ」で。

・小麦粉 220g(キタノカオリ70%:カプートサッコロッソ30%)
・水 130cc
・塩 3g
・インスタントドライイースト 2g

手ごね30分、2時間寝かせたあと分割して丸め、5時間醗酵。

マルゲリータ

いつもより少しサイズが小さく、厚みがあるのがわかる。伸ばしに気を使って、優しく空気を抜かないようにした結果。
うん、旨い!粉のせいなのか伸ばしのせいなのか、あるいは両方なのか。これまでで一番良いできだと思う。奥様も満足。うわあ、伸ばしも大事だなやっぱ。

ベーコンと葱とトマトとオレガノ

これも良い。少し長めに焼いたのだが、固くならずパリッとした食感に。
キタノカオリ、かなり良いぞ。

低温長時間醗酵、つまり冷蔵庫に入れない方が良いのだろうか。コンスタントにこのレベルに仕上げることが、本当に難しい。